テレビ番組で、「笑わない子供たち」を取り上げていた。
幼児虐待、その中でも「ネグレクト」といって、必要最低限のお世話をしてもらえない子供たちに、その現象はおきているらしい。
産まれてからほとんど抱いてもらっていないであろう子供は、だかれ慣れていない為、抱っこしてもこちらに身体を任せようとはしない。 そり返って突っ張ってしまう。
何日かに1度しか食事を与えられなかった子供は、食べものを見ると次から次から、喉に詰まらせそうなほど、どんどん口に詰め込む。 ・・・今食べておかなかったら今度はいつご飯にありつけるかわからないから・・・
夜になると、不安感から、自分の頭をベッドの床にガンガン叩きつける子供。
そして。
ほとんど話し掛けられることなく育った子供は、「笑わない」。
くすぐっても、何しても、笑わない。
生まれてすぐの赤ちゃんが、何の理由もなく笑ったような顔をすることがあって、「新生児微笑」と言われているけれど、それはサルには見られないのだそう。
「新生児微笑」は本能的にインプットされているものらしく、本当に楽しくて笑っているわけではないけれど、その表情を見た大人たちが赤ちゃんに語りかけたりあやしたりすることで、赤ちゃんは対外的なコミュニケーションの取り方を学んでいくのではないか、と考えられている。
だから、「新生児微笑」のないサルの親は、あやしたりすることはない。
その代わり、「スキンシップ」でコミュニケーションを図るのだそう。
泣いても泣いてもミルクを与えられることのなかった赤ちゃんは、そのうち、ミルクの時間になっても(お腹がすいても)泣くことをしなくなった。
泣いて自分の欲求を示すしか方法のない赤ちゃんにとって、すなわちそれは「死」を意味する。
自ら、生きることを放棄したのだ。
まだ産まれて間もない、赤ちゃんが。
生きる活力を見出せなくなってしまうなんて。
なんて悲しいことなんだろう。
人間不信の赤ちゃん。。。
暴力を振るわれた、いわゆる「幼児虐待」と違って、ネグレクトは表面に出づらいため、余計にたちが悪いと思う。
むしろ、 「おとなしくて手のかからない子供」 と、いいふうに取られてしまうかもしれない。
核家族化が進んで、子供と2人きりの育児に煮詰まってしまう親が増えたのか、それとも、以前からあったけれど気付かれなかったものが露呈しはじめたのか。。。
どちらにせよ、ネグレクトを受けた子供たちの多さに、そしてその症状に、大きなショックを受けた。
|