Dance日記帳
モクジ|キノウ|ヨクジツ
自分の稽古をつけて貰いに出かける。
普段、私鉄に乗り馴れていないということもあり、うっかり「通勤準急」なる種類のものに乗ってしまった。 「通勤快速」に「通勤急行」、普通の「急行」やら「快速」やら「特急」などなど。こんなにも豊富な種類があって、それが各々に停車駅が変わってくるわけなのだから複雑だ。
本当は「準急」に乗りたかったのに、間違えて「通勤」が冠詞につくほうに乗ってしまったが最後。あれよあれよと言うまに降りたい駅をすっ飛ばして行く。 どこまで自分は間抜けなのだろう、、、と哀しいような口惜しいような、誰かに八つ当たりした気持ちを抑えながら通過する駅を眺める。
私のことを仕事柄、機敏で何事にも快活に動作するタイプだと思う方が多いようだが、実際は正反対。動作が遅くて鈍い、トロいのだ。ボーッとしているつもりはないのだが、何事においても準備などに非常に時間がかかる。 物事を理解するまで時間がかかる。兎に角、自慢できるくらいに要領が悪い。本人は精一杯スピードを出しているつもりでいても、周囲の人たちにしたら「何をトロトロしているんだよっ!」と苛立つようだ。
その昔、高校生だった頃、先輩のお宅にお邪魔して、ケーキをご馳走になった。その先輩は大学の先輩で、当時私の受験の世話をしてくださった「体育大学出身」の方なので、何事にも機敏で要領が良い。 一方トロい私は、いただいたケーキを、周りのセロファンをぐるっと剥がして、フォークで突っついて食べようとしていた。 すると先輩が「アンタ!何をお嬢様みたいにチビチビ食べてるのよっ。周りのセロファンは外さずに、こうして手で持って、食らい付けば早く食べられるでしょ。フォークなんて使わなくていいの!」と、セロファンの上からガシッとケーキを掴み、端っこのセロファンをめくってガブッと一口。 「体育大学行ったらね、おっとりしてられないんだよ。次々と実技の授業があるし、とっとと着替えて次の教室に移動しなきゃ単位落とすんだよ。今から要領良くやっていけるように工夫しな!」と、唇の端についたクリームを親指でぐいっと拭いながら叱ってくれた。思わず「カッコイイ!」と改めて先輩への敬愛を深めたのだった。
M先輩。未だに私は当時のままの愚鈍さです。貴女からいろいろ学んだはずなのに・・・
NYへ行くと、毎回必ず立ち寄るレストランがある。ソウルフードと呼ばれる南国料理が食べられる店だ。 ここに来ると、毎回NYに住む親友が笑う。 付け合わせのベイクドポテトの食べ方が可笑しいと言って笑うのだ。ポテトの皮をナイフとフォークで綺麗に剥いて、中身を綺麗に刻んで一口大にして食す様子が「笑っちゃうほど几帳面!笑っちゃうくらい日本人!」と思うらしい。 私にしたら「焼き魚を食べる時ほどは几帳面に食べてないつもりだけどなぁ 」という具合だ。 少なくとも、親友は、スラングで喋るスレた感じの私が、ちまちまとポテトを食べるギャップが好きだと言ってくれているので、偏に鈍臭いことが悪いことでもないように思える。
しかし、いいかげん、「要領良く」生きれるようになりたいとは思う。 せめて、脱いだ着物をササッと美しく畳めるようになりたいと思うのだ。
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