Dance日記帳
モクジキノウヨクジツ


2003年07月09日(水) 頭の成績、心の成績。

昨日の日記でリハーサルメンバーに『月曜日の報告を掲示板に書きなさい!』と書いたら、すごい勢いで報告がアップされている。
そういう律儀なところ、ノリの良さというか、そういう部分、本当にスキだよ。
でもって、ダンスをやるなら「律儀&ノリの良さ」というのは不可欠な条件だったりするのだ。普段テンションが低くても、いざというときになってノリノリになれる人がいいのだ。


掲示板の報告を読むと、予想通り、どうやらリハメンは社会人として使用不可だったようですが(苦笑)生きているのがわかって、正直安堵。
本番が終わったあと、人間崩壊しちゃう人はいったい何人くらい出現するのだろうか、考えるだけで恐ろしいかも・・・


さて、今日は長崎で起きた幼児誘拐殺人事件の真犯人が12歳の中学生だったということで号外が飛び交ったようだ。
夜レッスンが終わって自宅に戻ったら、テレビじゃその報道ばっかり。
なんとも、コトバにしがたい。
私には3歳になる姪がいる。だからこそ、亡くなった子供のことを考えると胸が痛い。5歳と言えば、本当に可愛いさかりだろうし・・・。そして12歳の犯人だって、今年小学校を卒業したばかり、これから将来があるというのに・・・。いったい何が狂っているのだろう。いったい何に対して憤りを感じるべきなのだろう。
通り魔事件や暴行事件、理不尽な事件が次々起こる。
小さい頃、オバケを怖がった私に、母が真顔で「一番怖いのはね、オバケじゃなくて人間なんだよ」と語ってくれたことを思い出す。
NYに住み始めた頃、他人と一緒にいることが怖かった。エレベーターや街中、どこでも恐ろしいのは他人だった。
理由もないのに、見知らぬ人から突然傷つけられるのではないかという恐怖がいつでもあった。そんな時、母国である日本に戻ると心から安らげたのにね。『やっぱり日本が一番いいよな〜』と言えた時代が懐かしいのかもしれない。

脈略もないんだけど、ふと思う。
もし、その12歳の犯人がダンスをやっていたらどうったのかなぁ・・・ってね。発表会とかを前にして、仲間と一緒に汗を流し、必死に同じステップを練習していたりしたら・・・。
ダンスは、コラムにも書いたけど、人と人とのつながりを強くする作用がある。『絆』とでも呼べるようなものがメンバーの中に生まれてくる。
ひとりでも元気のない子がいたりすると、自然と周囲の子たちが気付き、ベストと思われる方法でフォローにはしる。
みんなが、いっしょに、力を合わせることを必然とする。

今の社会はこれとは逆なのかもしれない。
人と競い合い、勝者にならねばならない。
協調性よりも、個性よりも、何よりも『高成績』が重視される。
他人とうまくやっていく人よりも、成績が良い人のほうが『優秀』『上等』とされる。
他人を蹴落とすこと、他人より抜きん出ることが必須なのである。

ダンスの場合は違う。
他人とうまくやっていくことができなければ、いくら個人演技が良くても使いものにならない。
ジャズで言えば『ユニゾン』、バレエで言えば『コールド』と呼ばれる群舞。これこそダンスの醍醐味だ。
大勢のダンサーが呼吸を合わせ、一糸乱れぬ状態で踊る。
もともとは違う個性が集まりつつ、互いに調整をしあい、互いを尊重しあってグループというものを作っていくのだ。

12歳の犯人が通っている中学校の先生のインタビューで『成績優秀な子でした』というコメントを聞いて、尚更、心が締め付けられるようなキモチになった。
成績が良い、その成績とは何だろう。
私は姪に、「学校の成績なんてどうでもいい。自分が夢中になれることを探しなさい。」と言いたい。
頭での成績ではなく、心の成績で高得点をとってもらいたい。

ちなみに、ここだけの話、私は中学高校と通して、見事落第点をとり続けた『出来損ない』の生徒だった。
私にとって『成績』とは、バレエの発表会での拍手だったので、学校でのテストの結果が学年最下位だったとして、別に気にすることではなかった。親には毎回泣かれ、怒鳴られ、担任には匙を投げられたけど、でも、恥ずかしいと思わなかった。私にとって学校の成績なんて無意味なものだったからね。そもそも大学なんて行くつもりは毛頭なかったし、勉強なんて大嫌い、1時間座って数学の問題を解くくらいなら、1時間バレエのレッスンを余分にやりたいって思っていたわけ。
当時の私の考え方や生き方が正しいとは言わないけれど、好きなことを『好き!』と堂々としていられた自分を今は誇らしく思うのだ。
そして、学校の成績が悪いからと言って、不幸せだと思ったことはない。学校の成績をもとに「良い子」とか「悪い子」と判断する大人にだけはなりたくない。

もしかしたら、12歳の犯人こそ、社会が生んだ、被害者なのかもしれないと、ふと考えるのだ。


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