最近のワーキングプアなるものが 戦前の資本家の搾取による過酷な労働形態に似ていると 小林多喜二の『蟹工船』がすごい売れているようだ。 私はこの本を何年前に読んだのだろうか・・。 最初から読もうと思って読んだ本ではない。 三浦綾子著の『母』という本を何気に本屋さんで買って読んだのが始まりだ これは小林多喜二の母であるセキが主人公だ。 「わたしは小説を書くことが、あんなにおっかないことだとは思ってもみなかった。あの多喜二が小説書いて殺されるなんて」と 母セキがいうように、プロレタリア作家だった多喜二は治安維持法なんて馬鹿げた法律でもって特高に拷問死させられた。 その『母』という物語を読んで多喜二の『蟹工船』なるものがどんな小説なのかと興味をもったからだった。 15年も前のことだったと思うのだが・・。 小説そのものより多喜二という人物とその母セキに大いに興味をもった。 多喜二の母として、多喜二が属していた共産党という団体を、多喜二を愛するが故に理解しようとするのだった。 前回の大河ドラマ『天承院篤姫』で西郷と袂を分けていこうと決めた大久保が母に「これからは鬼になります」と告げたら母は、「あなたが鬼になるのなら私は鬼の母になるまでのこと」という台詞があった。 正に母とはこうしたものだろう・・と真に思った。 私も子を思う母ゆえに・・・。 だから私は『蟹工船』よりも三浦綾子著の『母』をお薦めしたいと思う。 でも文学作品としての『蟹工船』はいくらバカ売れしても、80年前の作品ゆえにもう著作権は切れているようです。
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