どうしてもどうしても許せない印が、あなたには後天的に埋め込まれていて
どうしてもどうしても惹かれる印が、あなたには先天的に埋め込まれていて
立夏前のシトシトとした春の雨のように、2つの間を気まぐれに揺れ動く
どうして、面倒くさいと言い切って、どちらかを切り捨てないのだろう
どうして、大変だからと捨て去って、欲望の海に沈めて殺さないのだろう
どうして、それが人生なんだと悟り、狭い世界に縮合してあなたと共に墓場に行かないのだろう
どうして、という覚めきった視点で、あなたを客観的な視点で見つめ続けるのだろうか
すり鉢にあなたへの想いを1つ1つ投げ入れて、すりこ木でゴリゴリと
すり鉢にあなたの行動を1滴1滴垂らして、すりこ木でゴリゴリと
社会的価値も道徳も規範も家族も仕事も金銭も名誉も学歴も食欲も服装さえ全部放り込んで、ゴリゴリと
最後につなぎを入れて饅頭にしてしまって、あなたの人間饅頭を1個だけつくって、ガブリ、と食べてしまわないのか
いや、最後に、放っておいて腐らせないのか
切断、殺人、縮合を決してしない覚めた視点
浮かび上がってくる2つの後天と2つの先天
永劫回帰のような錯覚
つまり、私はあなたを愛しているのだ
愛という、誰でも何にでもどんな行動にも使える便利で表面的な意味も、
どこまでも深く広く個人的でかる普遍的な意味も持ちうる愛という言葉
それ以外にあなたへの想いを、ずぱりと射抜く語彙が見つからないでいる
トートロジカリィな表現は避けたいのだけれど、やはりあなたを愛しているのだ
やはり、すりこ木は何時かは磨り減ってしまう、やはり、言葉のループは何時までも磨り減らない
つまり、私はあなたを愛しているのだ
注記:トートロジカリィ(tautolgically)、トートロジーの形容詞形
トートロジー【tautology】1 同語反復。2 命題論理で、要素となる命題の真偽がいかなるものであっても、常に真となるような論理式。恒真式。[大辞泉 提供:JapanKnowledge ]
トートロジカリィな表現とは「あなたはあなたでしかない」という表現の事。愛しているという表現は、殆ど全てに当てはまることを示唆。「それは愛だよね」という表現で、「それは」には考え方によっては全ての言葉が入るという意味を指摘している。
また、ニーチェの永劫回帰の壱解釈としてトートロジカリィな表現は永劫回帰が成り立つという点も受けて意味している。
副題は「 初夏までの愛 」