回転寿司だけれど、TVで特集の組まれた高級店に行って、大きな車で行きつけのプールーバーに行ったら、何かの取材で入れなかった。
だから、甘渋苦の煎茶を入れてくれる日本茶房に寄ったの。
障子に竹の陰がゆっくりと揺れる柔らかな店内、少しお話好きの可愛らしいおばあちゃん、窯元に特注で作って頂いた茶碗のお話を聞かせて頂き、あなたの首もとの白い肌をちらっと盗み見るの。
壱煎目の少なさにびっくりして仰け反っているのをちらり、弐煎目の渋さにうなずいた後をちらり、参煎目とくるみ羊羹が美味しくて思わず両手と一緒に上下した時をちらり、と見たの。
おばあちゃんに窯元の話を聞いている横向きも見たわ。
初対面でもおどけながら明るく話せるのはあなたのとっても素敵なところ、私の好きなところ。
おばあちゃんは陶器販売でお商売をなさっているから、趣味の参煎はとってもリーズナブル。だから大抵、手土産を持ってくるの。
そういう説明をしても「商売は商売だろう」と不思議がって頭(かしら)を横に揺らした仕草も愛らしかった。
愛(いと)おしいのよ、あなたが、と伝えようと思ったけれど、またあなたはご機嫌斜めになるかもしれないので、慌てて口を噤(つぐ)んだわ
どうした、お茶が苦いの?と少し眉間に皺を寄せながら覗き込むあなたがこの世でとっても大切に感じたの。
ううん、と笑顔であなたを、ただただ、眺めるの。
注記:「 来られて 見られて 」 2007年08月15日(水)
「 来られて 見られて 敗れて 」2007年08月01日(水)
以上の2作品の完結作品です。