絶対の孤独が文学の人間のふるさとだ、という人々が居る
私も斯様に思っていたけれど
けれど、絶対の孤独だと思う、あるいは文学を選択する、人間を追い求めるその形式は、自己決定でしかない
けれども、生身の人間は自己決定によって生じた存在者ではない
だから、文学やそうした人間のふるさとを目指す人々は、生身の人間の、例えば、性や家族や恋人や伴侶などと戦わなければならない
この戦闘こそ、実は自己決定の果てに生じている、ということを忘れてしまっているのだ
自然物は戦えば加工し道具となりうる。けれども、自然物は加工されなくても存在していられるのだ
空は限りなく青く、そして闇をも内包しているのだ
決して青いだけではない
注記:『春来る鬼』 近藤ようこ 青林工藝舎 あとがきを読み終えて