喜怒哀楽が呆然忘却が、自己否定も自己尊大さえも本能によって仕組まれている だというのに、それらを抽象化して個別に獲得する感謝さえ、仕組まれているとしたら 這(は)い上がれないあり地獄 頭上遥かにある円形の茶色の砂の切れ間と、彼方なる透けるような青空の合間にある地上は永遠に、永劫に 観えもせず、歩くことも、這いずり回ることさえ 両足は既に砂塵(さじん)に埋まっている この両腕を切り落としても、この両目を抉(えぐ)り出されようとも、皺(しわ)だらけの頬でせめて這いずり回りたい