きよこの日記

2004年03月18日(木) 雪の卒業式

3月は、すべてが丸くおさまる季節です。どんな衝突も葛藤も水に流して、「さよなら」と笑って手を振ることができる、そんな空気が流れる季節です。
後期入試が終わって、生徒の中には、あと○日、の思いが強くなってきていましたが、それとはうらはらに、私は卒業式前日の終業式のための仕事やら、煩雑なお金の計算に追い立てられるままに、今日という日を迎えてしまいました。

本当ならば子どもたちに心を沿わせて、一日一日をカウントダウンして今日を迎えたかったけれど・・・。


一週間ほど前から3年生に聞かれていました「先生、袴着るん?」って。
「そんな副担任が主役みたいに目立っちゃいけないじゃん」と言ったのですが
「いいじゃん、着てよ着てよ!」と、楽しみに思ってくれたので、朝から美容院に走りました。
5時起床です。


「先生、私のために泣いてね!」と、言われ
「泣くわけないじゃーん。泣かないよっ」と言っていたのですが、やっぱり泣いてしまいました。


特に卒業式後の学活は泣かずにいられませんでした。
卒業式が始まる頃降り始めた雪は、体育館を出るまでにあたりを雪景色に変えていました。
3年間クラス替えなしで、同じ担任の先生のもとで中学校生活を送ってきた生徒たちなので、私は新参者でした。

でも、この一年間、私はできるだけのことをし、また、生徒もそれにできる限り応えてくれたように思います。

たった一年間だったけど、私にとっては本当にしゃかりきで、大変で、えがたい、実り多い一年でした。

結局、昨日の夜、考えた言葉は、すっかりどこかに消えてしまい、私は思ったことをそのまま言いました。

「みんなは、私にとって、生徒でありながら生徒ではなかった気がします。
一人ひとりが私には測り知れない“何か”を持っていて、それがどんなものなのか、どのような形で現れるのか、私にはまったくわからなくて。

だから、私は、自分なんかがみんなに“教える”なんてことをしてもいいんだろうか?って思いながら授業をしていました。
本当に、力不足でみんなには申し訳なかったなあ、と思います。

でも、私、これからもっと力をつけて、今度は、担任で、みんなみたいなクラスを作れるようになりたいと思っています。
だから、卒業しても、たまには中学に顔を出してください。

私がちったあ成長してるか見てやってね。
そして、みんなが、高校に行って、ひと回りもふた回りも大きくなった姿を見せてね。
楽しみにしているからね!」

寄せ書きに書いてくれた言葉のなかで、最大の賛辞をもらいましたので、紹介を。

「いつもうるさくてごめんなさい。
先生はお母さんのようにしかってくれてすごくすごくあたたかかったです。
またしかってください。」


 < 過去  INDEX  未来 >


さよこ [MAIL] [HOMEPAGE]

My追加