| 2003年11月05日(水) |
ケストナー『点子ちゃんとアントン』 |
ケストナーという人は、きっととても子どもが大好きで、そして、子どもみたいな心をずっと持ち続けていた人なんだろうなあ。って思います。
大金持ちのお嬢様の点子ちゃんはちょっと変わり者。 友達のアントンはお母さんと二人暮し。 病気で働けないお母さんの代わりに毎日お手伝いをして、その上、路上で靴紐を売って生活費を稼いでいます。 点子ちゃんも、路上でお金を稼ぎます。ぼろを着て物乞いをするのです。 点子ちゃんのお父さんとお母さんにはもちろん内緒です。 二人は毎晩舞踏会や観劇に出かけているので、点子ちゃんはいい子で眠っていると思っているのです。
この物語には、愛すべきしかし困った大人がたくさん出てきます。 しかし、事件の最後に大人たちは、自分の間違えに気づき、考えを改めます。
ケストナーは、楽しくて面白いお話の中に、たくさんのメッセージを込めています。 それは、このお話しを読む子どもたちに、考えてもらいたいことです。
たとえば、 「ハッピーエンドについて ところで、みんなはこのことから、じっさいの人生でも、この本とおなじように、ものごとはいつも、こうあるべきだというふうに運び、こうあるべきだというふうに終わると思ったかもしれないね!そうでなければならないし、わきまえのある人びとは、そうなるように努力はしている。でも、いまはそうはなってない。まだ、そうはなってないのだ。 むかし、クラスメイトがいて、そいつはいつも、となりの子をカンニングしていた。そいつが罰をくらったと思った?ちがうんだ、そいつがカンニングした、となりの席の子が罰をくらったんだ。だからみんなは、ほかの人のせいで罰をくらっても、そんなに驚いていてはいけないよ。それよりも、みんなが大きくなったとき、世界がましになっているように、がんばってほしい。ぼくたちは、充分にはうまいこといかなかった。みんなは、ぼくたちおとなのほとんどよりも、きちんとした人になってほしい。正直な人になってほしい。わけへだてのない人になってほしい。かしこい人になってほしい。 この地上は、かつては天国だったこともあるそうだ。なんでも、できないことはないんだ。 この地上は、もう一度、天国になれるはずだ。できないことなんて、ないんだ。」
社会をもっとよくするために、一番大切なこと。 それは、子どもに正しいこと、大事なことを伝えていくこと。
短い章立てになっているので、夜寝る前に、子どもに読んであげるのにぴったりの本です。
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