きよこの日記

2003年10月16日(木) ひとりぼっちのあいつ

ビートルズの『NOWHERE MAN』って知ってますか?

He's a real nowhere Man,  あいつってやつは「Nowhre man」
Sitting in his Nowhere Land,  自分の世界にこもっちゃってんだ
Making all his nowhere plans for nobody. 何の役にも立たないことばっかり考えてね

Doesn't have a point of view,  見通しなんか立っちゃいない
Knows not where he's going to,  どうしたいかもわからない
Isn't he a bit like you and me? なんかちょっと、あなたや私と似ているよね。

Nowhere Man, please listen, ねえ、聞いてよ。
You don't know what you're missing,  君は気付いていないんだよ
Nowhere Man, the world is at your command. ねえ、世界は君の思うがままなんだよ

He's as blind as he can be,  あいつはぎゅっと目を閉じて
Just sees what he wants to see,  見たい物しか見ないんだ。
Nowhere Man can you see me at all? 僕のことが見えてるんだろうか?

Nowhere Man, please listen,
You don't know what you're missing,
Nowhere Man, the world is at your command.

Doesn't have a point of view,
Knows not where he's going to,
Isn't he a bit like you and me?
Nowhere Man, don't worry, ねえ、心配ないよ。
Take your time, don't hurry, 時間をかけて、ゆっくりいこう。
Leave it all till somebody else lend you a hand. 
  誰かが手を貸してくれるまで、全部ほっておけばいい。

He's a real Nowhere Man,
Sitting in his Nowhere Land,
Making all his nowhere plans for nobody.

最近、ゆううつな気分になりがちだったんです。
まったく、nowhere manでした。
学校にでも、ただ、与えられた仕事をこなすだけで精一杯、自信がもてなくて不安定だったり、義務感に押しつぶされそうだったり、その反動で不満だらけだったり。

でも、私は何も見ようとしていなかった「Nowhere man」だったんだよね。

1年生の生徒には毎日1ページ、漢字を書き、提出することが宿題になっている。
だけど、全員が完璧に提出し続けることができるわけでもなく、出さない子は常習化していくのが常です。
そんなことははなから承知なので、私のほうでは見てみぬふりをしていたのですが、あるクラスの国語係が
「先生、ちゃんと、ノートを提出してくれません!」
と、一生懸命なので、「じゃあ、提出状況が悪い子に放課後、職員室の私の所にくるように言ってくれる?私から言うよ」ということになり、放課後、指名手配された生徒たちがぞろぞろやってきました。
「明日は何ページやって提出するの?」私は一人一人に聞き、約束しました。
二ページと言う人もいれば、5ページと言う人もいました。
そして、翌日、大抵の子はその約束を守って提出しました。
でも、やって来ない子もいました。
それも予想していたことですが、ここは、きちっとしとかなければならないところ。
「いっちょやっとくか・・・」
というぐらいの感じで、しかし、いかにも真剣な顔で、授業のはじめに語りました。

「私がなんで、たかが漢字の宿題でこれだけこだわるかわかる?
 それは、人間性の問題だからだよ!」

おいおい、人間性なんて、えらい風呂敷広げたよ。

「人間性っていうのは、簡単に言えば信用できる人かどうかってことだよ。
 私は、漢字の宿題を毎日やっていたって、ほとんど褒めたことはないけど、中には、毎日2ページ、必ずやっている人もいるんだよ。やってもやらなくってもばれない、土曜や日曜も欠かさず毎日やっている人もいるんだよ。
そういう人は、無条件に人として信用できるよ。それどころか尊敬に値するよね。
だけど、やってくると言った約束を守らない。それも、私と一対一で昨日した約束を守らずに、平気でいられるって、そういう人をどうしたら信用できる?」

と、まあ、こんな調子でね。
こんなことも、一連の流れとして、仕事としてこなしていたんです。

でも、翌日、すべての子がノートを提出しました。
中には約束のページ数をやらない子もいたのですが、
「先生、今日は2ページしかできませんでした。すいません。明日残りの2ページと、今日の分1ページを足した3ページを必ずやって出します。お願いします」という、メッセージが書かれていた子も何人かいました。

そういう一人一人の反応を見ていて、「ちゃんと受け止めて、感じてくれる一人一人の生徒がてくれているんだ」って、ごくごく当たり前のことが、心の中にじーんときました。
こんな単純で、そして、一番大事なことが見えなくなっていたんだなあ、って思いました。

Nowhere Man, please listen, ねえ、聞いてよ。
You don't know what you're missing,  君は気付いていないんだよ
Nowhere Man, the world is at your command. ねえ、世界は君の思うがままなんだよ


 < 過去  INDEX  未来 >


さよこ [MAIL] [HOMEPAGE]

My追加