さだまさしの自伝的ドラマで、バイオリニストを目指し、一人東京に下宿していた高校時代から、バイオリンをあきらめて、作曲やフォーク(?)の道に進むまでの出来事を描いた作品。
昭和の香りがプンプンして、懐かしさがある。(実際のところ、雅志が高校生の頃、自分はまだ生まれていないが)
雅志(菅田将暉)の髪形や服装もすごく昔っぽい。
雅志は多才で、バイオリンだけでなく、ギターに作曲にバンド、落語までをこなす。それでいて、腰が低いので嫌味っぽくなく、憎めない感じ。
いかにも昭和の青春という世界がそこには広がっている。
苦学生でいつもお腹を空かせている雅志は、長崎のちゃんぽんが食べたいといつも思っている。そんな雅志に友人の菊田保夫(泉澤祐希)の両親(米屋)は、落語を一席聞かせてくれたらそれでいいからと、いつも雅志を食べさせてくれる。こんな人情味に溢れる人って、平成にはあまりいないような…。
当時の色々なタイプの人々も描かれている。
大家の息子たちは、親のお金がたくさんあるため、定職に就かず喧嘩ばかりしつつ、のほほんと生きていたり、バイオリンの先生夫婦の離婚騒動の間に挟まれてしまったり、かと思えば、学生運動に参加して、危うく捕まりそうになったり、それを助けてくれた人は、やはりこれまた働かず何もしないことをしている…というわけのわからない暮らしぶりだったり…。
バイトをした土建屋さんでは、正社員にならないかと誘ってくれたと思えば、雅志がやりたいことが見つからないと言えば、他にやりたいことを探しなよと快く雅志を辞めさせてくれたり、質屋にバイオリンを持っていけば、これは流したら困る代物なんでしょ?と言ってくれる店主がいたり、新しいバイト先の主人は賭け事にハマッて借金を背負って逃げていたり…。
雅志はそんな人たちにも持ち前の優しさで接し、決して突き放したりということもしない。
同級生の樫山満(間宮祥太朗)は高校時代は雅志とバンドを組んでいた。その後、古田政美(本郷奏多)とともに音楽の道を志すが、才能のなさを自覚して、音楽の道を行くのをあきらめる。
女優を志すからと言って、高校をやめた岡倉洋子(森川葵)も、やはり才能の壁に挫折し、母の飲み屋を手伝う。
雅志は自分が何をやりたいのか、バイオリンをやめて進む道を模索していたが、周りからの後押しもあって、古田と作詞・作曲を手掛け、その後のさだまさしへとつながる…わけだね。
才能とは何なのか…。考えさせられる。
雅志自身、バイオリンでは他の人の公演を見て、自分には才能はなく、こうはなれないと思い知ったのだから…。
とにかく続きが気になり、最後まで楽しめたドラマだった。 
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