感想メモ

2010年01月16日(土) さまよう刃  東野圭吾


東野圭吾 角川文庫 (2004)2008

STORY:
娘を未成年の少年2人に凌辱され殺された長峰は、謎の密告者の情報をもとにそのうちの1人を殺害し、逃亡。もう1人も殺そうと探し回るが…。

感想:
 未成年者の犯罪の場合、少年法があるので、残虐なことをしたとしても、大した罪に問われず、数年で少年院を出てくることも多い。

 被害者としては、それでは納得ができないだろうし、復讐したいと思うのももっともなことかなと思う。

 たまたま密告者の情報から、犯人の男にたどり着いた長峰は、娘の凌辱シーンのビデオを見てしまう。その時、犯人の男が帰って来てしまい、見境もなく復讐に走る。

 年頃の娘、それも一人娘であり、妻も亡くして父娘2人きりの生活を送っていた長峰の心情はよくわかる。

 その後、もう一人の男を探そうとする気持ちもよくわかる。

長峰と少年を追う警察の描写も、少年を保護しなくてはならないという気持ちと、長峰への同情とがうまく描けている。

 もちろん復讐するために人を殺すのは絶対にいけないことなのではあるが、当事者となったときにどう思うか…。

 そして、結末は…。

 なんか悲しい感じであった。

 ただ、この作品は、問題提起はしているけれど、どうするのがいいのだという結論も出していないし、そういう点で、そこまですごく重くない気もする。エンターテインメントとして楽しめるのはそんなところにあるのかも。

 あまりそのことを深く突き詰めると、もっと重苦しい話で、余計に読んでいて辛かっただろうけど、そこまでの辛さがなかった気がする。


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