湊かなえ 双葉社 2008
STORY: 事故死と処理された愛娘の死。しかし、実際は2人の生徒に殺されていたということを知った女教師は、教員生活最後の日にクラス全員に事実を告げる。そのことと女教師が行ったある復讐が思わぬ悲劇を生み出して…。
感想: なんだかよくわからない話だったような気もする。5人の人物が告白する(もしくは日記や手記)という形式で書かれた、ある1人の人物の視点から物事が進んでいくからか…。
感想はネタばれをしないと書けないので、以下ネタばれあり。
私が腑に落ちない点は、先生の復讐方法…。そんなこと、可能なのかな?というのと、もし実際に自分がそういうことをされたと仮定した場合に、生徒の反応がこんな風になるのかな?ということだ。
天才生徒の方は、自分で検査機関に血液検査を依頼するなど、まだわかる態度を取っているが、問題はもう一人…。引きこもってしまって、おかしな行動を取るようになる。
でも…引きこもりつつ、インターネット使ったりしてるみたいで…。
もし自分がこういうことをされたら、まずはネットでも何でもエイズのことを調べまくるんじゃないかな? 感染の可能性とか、対処法とかあらゆることを…。そういうこともしないし、血液検査をして、自分が陽性なのかどうかを調べずに、勝手にエイズに感染したと思っているところがね…。
これは、クラスの生徒も同じだけど…。(今時の中学生ってそんなにバカ?)
最初、話を読み始めたときに、この女教師がかわいそうな気がした。子供を殺されたということに対して、本当にかわいそうだと思ったけど、復讐のあらゆる方法を見ていたら、全くそういう気持ちも吹き飛んでしまった。
もし、自分が同じ立場に立ったなら、生徒が殺したとわかった時点で、たとえ少年法で少年たちが裁かれないとしても、警察に事実を告げたと思うし、生徒のことを思うならそうするのが一番よかったのではないだろうか?
結局、この教師がしたことの余波から、死ななくてもいい2人が死んでしまったわけだし…。
教師の倫理感から敢えて告げなかったみたいなことを言っているけれど、もし本当にそう思うなら、復讐をしようと思ったり、クラス全員にそのことを告げず、胸の中にしまっておくべきで、最初から、この2人を困らせようというつもりだったのだから、まるで自分を聖職者であるみたいな表現を使うのはどうなのかなーと思ってしまった。
まあ、いろいろな意味で問題作なのだとは思うけれど、私はこの小説は読まなくてもよかったかなーと…なんとなくあとから思ってしまった…。
|