倉本聰の「風のガーデン」を見た。緒方拳の遺作となった。
静かないいドラマだった。
浮気がちな麻酔科医の貞美(中井貴一)が末期のすい臓がんに侵されていることを知り、生き別れた娘のルイ(黒木メイサ)と息子で知的障害がある岳(神木隆之介)を影で見守ろうとする。彼の妻は貞美の不倫のせいで自殺し、実の父で医者でもある貞三(緒方拳)に勘当され、故郷の富良野に足を踏み入れることができないでいた。
しかし、貞美が余命いくばくもなく富良野に戻っていることを知った貞三は、貞美を許し、最期を生まれ育った家で過ごさせようと奔走するのであった…。
中井貴一の演じた貞美は、女好きで冗談が大好き。病院でも学生たちに面白いことを言いまくる。そのせいで妻を自殺に追いやったことには負い目を感じているが、その病気がなおることはなかった。でも、自分が死ぬとわかったときから、女性との関係を絶ち、息子や娘のもとに帰って行くのだ。
医者だからこそ、自分の病状もこの先どうなっていくのかもわかる。やり残したことをやろうとする姿に心を打たれた。
最期に、麻酔科医をやっていてよかったと漏らすシーンがよかった。苦痛を減らす医療、それは大切ですごいことなのだと当事者になって初めてわかったと…。
いいドラマだった。
けれど、こんな風に家族に敬語を使う家って、今はあまりないんだろうなー。言葉の使い方がきれいで、家族に対しても敬意を表する話し方。いまどきのドラマにはない重いものを見せてもらった感じ。
挿入歌である「カンパニュラの恋」=「ノクターン」(?)もすごくいい曲だった。
|