感想メモ

2004年04月07日(水) 祇園の教訓  岩崎峰子


昇る人、昇りきらずに終わる人 岩崎峰子 幻冬舎 2003

 祇園で舞妓から芸姑になり、第一線で活躍していた方の自伝とエッセイ。どのような方が大成するかについてなどに触れた本。

 この副題「昇る人、昇りきらずに終わる人」というのを読むと、結構人気があるように思える「銀座ママのできる男の見分け方…」みたいな本と同じ類の、どういう男が出世するか…というハウトゥー本というようなイメージを受けるのであるが、読んでみるとそういうのとはちょっと違うので、そういうイメージを持った人が読むと拍子抜けすること間違いないような気がする。

 最初の方でそのような内容に若干触れてはいるものの、正直、感じが悪いなーという印象を受けてしまう。確かに出世する人や、お金がたくさんある人とお付き合いしてきているのであろうが、だから何?というような気もするし、このすべてを満たしたからといって出世するとも限らないわけだし。一番嫌な印象がするのは、やはりよくないお手本が書かれているとき。それはまあともかくとして、それに対して京都弁というのか、舞妓の言葉で感情表現が入るのだが、それが何となくカチンとくるというか。

 言葉に関しては時々舞妓の言葉が入るのだけど、何が書いてあるのかよくわからない部分もあり、標準語の訳みたいなのも書いてもらった方がいいかもと思った。

 まあ、そういう部分はあまり多くはなくて、あとは本当に祇園の仕組みとか舞妓とか芸姑の世界の話が書いてあるのであるが。そういうのは確かに読んでいて面白いとは思う。ただやっぱり自分とは住む世界が違うと思う。最高級のおもてなしをしたからといって1席1人4万以上というお金は高くはないと言われても…。庶民には所詮手も足も出ない世界なんだよね、と思ってしまう。それに一見さんお断り…だしね。やはり閉鎖的な世界としか言いようがないとは思う。でも、芸者という言葉にまといついている淫靡なものは今はないとか…そういう類の話は面白いし、ちょっと興味深かったかな。


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