感想メモ

2003年03月13日(木) 孤独のグルメ

久住昌之原作 谷口ジロー作画 扶桑社 1997

 この本は異色のグルメ(?)漫画である。主人公の井の頭五郎がおなかをすかせて、見知らぬ町で昼飯を食べられる場所を見つけ、その店でご飯をかきこむという、何とも言いがたい内容が延々と続くのである。

 ただ風景の描写はかなりなもので、どうも実際の店を描いている部分もあるらしく、ネットで見ていたら、実際に出てきた店に行ってみた体験記みたいなのがあった・・・。

 井の頭五郎は取引相手の元へ行った際に、話が長引きいつも昼飯時を過ぎてしまう。知らない町で一人で勝手知らないお店に入るのって、確かにすごく勇気がいる。私もぶらぶらと歩き回って思わず適当に入ってしまい後悔したりということもあるし、延々と歩きつづけてやっぱり店に入るのをやめて何かコンビニで買うかーなんてなってしまうこともあるから、そういう気持ちってよくわかる。

 またグルメ漫画だと食べた後に美味しさの説明などがものすごく長く入ったりするが(それもかなり大げさな表現だ)、この漫画では「この組み合わせはまずかったかな」とか「〜にしておけばよかったかな」とか「うまい」など、あくまでも独り言の範囲である。

 まあ、つまりは一人で店を探し回り独り言、店に入ったら店の中の様子などを独り言、出てきた食事を食べながら独り言・・・とただそれだけなんだけど、なんかよくわかるかもなー、その気持ち・・・なんて思ってしまう。

 ところで気になったのは中に出てきた中国人留学生(?)を雇っているらしいお店だ。結局店主がバイトを怒鳴りつけてご飯がのどを通らなくて、井の頭五郎は店主と争いになってしまうのだが・・・。本当にモデルがあったんだろうか?


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ゆうまま [MAIL]