夜に - 2013年05月07日(火) 人間が何かひとつのアクションを行おうとするとき、 それは、その状況から抜け出したいという強い気持ちがそうさせる。 ただ何となく、このまま会社にいながら、そのうち良い変化が起きないかしら、とか、 平凡な日常を過ごし、この平穏無事を保ちつつも、そのうち幸運が我が身に降りかからないだろうか、とか、 そういった横一直線のグラフ図のうちは、大体何も起こらないし、起こせない。 同じ日常が日々、淡々と繰り返される快楽から逃れたいと思うような人はいない。 ただそこに、空虚な闇、ぽっかりと空いて、寒風がぴゅうぴゅうと吹きさぶすような心を持ってしまった時、 この苦しみから助かりたいという思いが、脳を動かせ、手にペンを取り、足を走らせるのだ。 きっと幼い頃、十分でなかった愛を探して、 これまで何人か男と付き合った。 そして今やっと、さあその最果ての愛、と思った男ですら、 一番、側にいてほしい、ただ背中をさすって、深い悲しみの世界に入り込んだ私を、 そこから引っ張りあげて欲しいのだ、というときに、 ベッドの隣で何も気づかないフリをしたまま、眠りに入ってしまっている。 その脇で、小さな枕に染みた水滴の粒は、明日にはもう乾いてしまっているだろう。 もうそのことを告げることすら空虚であり、 その小さな空虚の積み木が、どんどん積み上がっていく。 そして、我が身を包むものが暗闇だけで、いざというとき涙を拭うものは、 隣の薬局で買った5箱198円のティッシュしかないのだという事実に気づいたときには、 この虚しさや悲しみ、真っ暗の穴にも、「夜目」が慣れた。 人は死ぬまで孤独で、どんなに愛し合った相手とも、 その心の壁が崩れることはない。 一種の諦め、というには、私はやや覚悟を決めていた。 だからこれは、自分が壊れていかないように、私だけが作れる、 大切な絶対的な世界を生み出すことで、その大きな暗闇に、光を挿そうとする作業になる予定だ。 それがいつか、目に見えなくても、遠い誰かの背中をさすってあげられたなら、 私もきっと、生きる意義を見いだせるというものだ。 ...
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