『彼女のことば』 - 2008年08月08日(金) 読者のみなさん、こんにちは。 まず初めに言っておかなければならないのは、ぼくはただのストーリーテラーだということです。 ぼくがこれらの言葉を生みだしているのではないのです。 ぼくはただの語り部に過ぎない。 まるで世間ではぼくがこれらの言葉や話をつくったと思い違いをしながらも、とてもよく評価してくださっています。 それは本当にうれしく、有難いことです。 なぜなら本当の創造者はぼくの恋人であり、ぼくは世間の人々にその素晴らしい彼女のことばを伝える媒介者だからです。 かくも素敵な我が恋人が、世間様で絶賛されているとなればうれしくないはずがないのです。 そうでしょう? 人の一生は短く儚いと、彼女はよく言っています。 常にその瞬間瞬間を生きる彼女は、何かに記録するということをしません。 あの美しい唇、もちろんぼくは彼女のルージュがどこのものかも知ってるけれど、そこから紡ぎだされる数々のきらめくことばたち。 時には空を見ながら、時にはぼくを叱りながら、時には僕を眠りながら・・・。 生まれては消えていくそのことばたちを、ぼくはどうしても見過ごせなかった。 だからぼくは彼女という存在のストーリーテラーになろうと思ったのです。 本当の意味での媒介者になろうと。 そしてこの本が生まれたというわけであります。 どうぞ皆さん、お忘れなく。 ことばの主体は常にぼくではなく、わたしであることを。 そしてことばがどんなに役にたち、役に立たないかを、一文字一文字味わいながらご堪能ください。 ...
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