春のような冬の日にきみが消えた - 2007年02月01日(木) 雪の真っ白は嫌いだからぺたんぺたんと足跡をつけたり、 甘いものは苦手だけど誕生日にひとりきりで寂しいからケーキ買ってみたり、 壊れそうなくらいに華奢なからだのくせにいつも転んでいたり、 私からみるときみはそういう子だった。 本当は夜のお月様よりも燦々とした太陽のほうがずっとずっと似合うのに、 きみが望む世界はいつも暗闇で、まるで自分にはその場所しか似合わないのだと 眩しいほうを見向きもせずに言いのけている。 でも心の底では望んでいるんだろう? そうじゃなければどうして休みの日には電車でどこまでもどこまでも行っちゃうの。 どうしてひとつのところに居続けることをしないの。 嘘は上手につくくせに、暴力は加減なくふるうくせに。 居場所を求めてさまよっている。ずっとあの日から、そうなんだね。 体は惜しみなく与えるのに誰にも心は与えない。 みんな信じられなくて疑っていて、でもそうじゃないと生きられなかったんだろう。 分かってるよなんて言いたくない。 ちっとも分からないよ、君のことなんて。 だって君は何も言わないんだもの、いつもそうだ。 気まぐれな猫。 大体私は君なんかとは大して親しくもなかったと思うけど、 君は私には割りと素で話してくれていたように思う。 でも私のほうがまだ壁を作っていて、あの頃はそうだ、私もすごく警戒心があったんだよ。 殺伐とした世界は人間をもそうさせてしまう。 君は今頃私のことなんて忘れているのかなあ。 私もすっかりと忘れていたんだけどね、この間きみが消えたっていう話を聞いたものだから。 今頃電車から田園風景でも見てるのかな。 ねえ、そしたら隣に座ってもいい? 君の声に耳を澄ませて。 ...
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