理の汚染 - 2006年12月22日(金) 光の渦の中に飛び込んで、私はずっと彷徨っていた。 目に映る景色が走馬灯のように過ぎ去っていた。 私は地に足をつけてたっているのだろうか。 不衛生そうな肉屋の壁の隅に、ふらふらと座り込んだ。 サングラス越しに見る世界は明度が低く、誰の表情も暗く見える。 隣で肉を売っている中年の女はすっかり太っていて、 壁際に座り込んでいる私を見、にやりと笑ったときの其の歯は真っ黒に塗られていた。 日本のお歯黒みたいだ。 豚は皮をべりべりと剥がされて、そのままどんっと店先に出店のようにして売られている。 私はそんな感じで此の汚い世界を見た。 胸元の開いた服を着た私を見る人間の視線、小銭欲しさにいつ盗もうかと 私を見る子供の視線、余所者だと警戒して私を見る浮浪者の視線…。 それらの視線を私は何とはなしに受け流す。 人の世界は知れば知るほどに虚しくなり、其の根源は人間の愚かさだ。 もうどうしようもない。 ならばいっその事、皆殺しにすれば全ては終わるか。 照りつける太陽が、皮膚を焼いて痛い。 しかし痛いと云う感覚を相対化してしまえば、痛みは殆ど感じないに等しくなる。 まるで作り物の体のようだ。 私は自分の体は単なる肉塊のような気がしていた。 いや、実際そうであることは事実なのだが、精神はもう少し離れたところにあって 私と云う人間は単なる肉塊にしか過ぎず、其の精神あってこそ私という今の存在を確立させているのだ。 世界が色を失っていくのが分かるのに、私はこうして汚い裏通りの繁華街で 肉屋の壁に座り込んでいるだけだ。 どうしてくれよう。この状況を、この状態を。 諦めるには早すぎる気がするし、行動するには遅すぎる気がする。 真実を求めるのでなければ生きる意味はない。 嗚呼、そういえば誰かそんなことを言っていたのだ。 ...
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