宿題

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2006年07月17日(月) 亀田一家は非日常的家族/テリー伊藤
(亀田一家とは)非日常のファミリー。よくあの親子愛、兄弟愛が、
昔の日本を思い出させるようなことも言われるけど、それは違う。
昔も今も、あんな家族はいない。
僕らが若いころだって、予備校に通っていれば、ギターだって弾いた。
日本中がスポ根だった時代なんてない。
 
『男はつらいよ』の寅さん一家だって、人気はあるけど、
実際にあんな家庭はないでしょ? 
それにあんな家庭にしたいとも思わないでしょ? 
高層マンションで快適に生活しているなら、
週に1度だけ柴又をのぞけば十分。
ディズニーランドも同じ。
毎日ミッキーに会っていたら飽きてしまう。
それと同じで、亀田家も時々のぞき見るから魅力を感じる。
あの言動は教育上良くないなんて言う人もいるけど、
あれだけ同じ目標に向かっている親子はいない。
非日常の家庭だからこそ、見習うところも多い。

ボクシングには昔から暗闇の部分がある。
地元有利な判定などを含めてボクシングだと思う。
小学4年から後楽園ホールで観戦して、
テレビでも海外の試合も見てきたけど、
これは今に始まったものではない。
だから昔は周囲に隠して、
ボクシングを続けた人もいたと聞いたことがある。
 
今の日本は暗闇の部分がなくなり、
サッカーのように健康的なものが好まれている。
亀田選手以降にファンになった人は、
サッカーと同じ感覚でとらえているのでは。
でも、亀田選手には黒人のボディーガード2人が常に付き添っているように、
本来はそういう競技。
危険なにおいがある世界だからこそ魅力を感じる。

亀田選手には何の罪もない。
選手が『自分が勝つ』と信じてリングで戦うのは当たり前。
それよりも解明すべきは、あの3人のジャッジの思惑。
手数はランダエタの方が上回っていたけど、
パンチの力は亀田選手の方が上だった。
各ジャッジが何を基準に採点していたかが明かされていないのに、
亀田選手が責められるのはおかしい。
悪いとしたら周りの大人たち。
80年代のボクシング人気衰退も、これの繰り返しが原因だった。

今回のバッシングで一家が得たものは多かった。
それは世間を見返してやろうという『何くそ』というパワー。
ロックンローラーだっていい家に住んで、いい車に乗って、
有名になれば、成り上がろうという気持ちがなくなって
普通の人になってしまう。
亀田が亀田であり続けることができるエネルギーをもらえたことは、
結果的に非常に良かった。


★亀田一家は非日常的家族/テリー伊藤★

マリ |MAIL






















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