宿題

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2005年04月17日(日) 笑うふたり/イッセー尾形×高田文夫
尾形 (腕組みして)落語始めようかなあ(笑)

高田 いいねえ、いいよ。一人でいっぺんに全部できるんだもの。
男も女も、犬だって、タヌキまで出来るんだから(笑)。
タヌキのネタで一人芝居じゃ、十五分は辛いだろう(笑)。

尾形 辛い、辛い。持っていきようがない。

高田 落語だったら、こっちで人間になって、こっちでタヌキになれるもの。
タヌキになりっぱなしじゃない。「なんだ、お前は」って一応タヌキに突っ込めるから(笑)。

尾形 そう、それが一人芝居の場合はないんですよ。

高田 突っ込めないでしょ。そこが、落語の一人称と一人芝居の一人称の違いですよ。
落語だと、八っつぁんになってても、半分醒めて、八っつぁんを見てますからね。



尾形 落語は寄席も含めた全部が虚構なのかもしれないですね。

高田 というか虚実皮膜というか。融通無碍なんだよね。
落語の場合は、いつでも落語を語ってる自分に戻れるから。
「お前さんあたしの腰巻き返しとくれ」「何言ってんだい、お前こそ、俺の猿股返せ」
「なんて、どっちもどっちの夫婦がいますからね」って、
正面切れば自分自身に戻れますからね。つまり、いつでも、現実というか素に戻れるんですよね。



尾形 今年の目標というのは、強いて言えば、”友達を作る”。
これ、ここ何年来の目標なんですけど(笑)。

高田 そんなに友達が欲しいなら、今度、うちの談志師匠と飲みましょうよ。

尾形 師匠の物真似はけっこうするんですが。

高田 ああ、見た見た。うまいよねえ。

尾形 物真似はしないたちなんですが。

高田 人間の質が近いんだって。けっこう孤独で、一人で煮詰まっちゃう(笑)。
だから、一度談志師匠と飲みません?

尾形 何話せばいいんです?

高田 芸談。酔っぱらうと、最後は芸談ですね。

尾形 芸談はできないからなあ。

高田 いや、結局はバカっぱなし。

尾形 何度かは会ってるんだけど。

高田 じゃ、話はした?

尾形 うん。「どうも、どうも」って。

高田 それはただの挨拶でしょ(笑)。

尾形 でも、二回目に会ったときは「その節はどうも」。

高田 じゃあ、三回目が「あの節はどうも」で、次からは「毎度どうも」ってか?

尾形 よくわかりますね。

高田 お見通しよ(笑)。

尾形 だから、役作っていきます(笑)。

高田 「談志に会う人」。どんな役なんだ(笑)。

尾形 そういう料簡になりゃ、会える(笑)。
でも(談志の声色で)「ウゥ、その料簡が気に食わねえ」って(笑)。

高田 いきなり小言だよ。でも、ああいう人はいきなり懐に入っちゃえば楽なんですよ。

尾形 となると、どういう役設定にすればいいんですか?

高田 これだもん。友達できないよ(笑)。


★笑うふたり/イッセー尾形×高田文夫★

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