○プラシーヴォ○
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| 2002年11月22日(金) |
いつか無くなるとは分かってるけど |
店に直結してるエレベーターの ガラスの部分に顔を映して 髪を直している忍君
一センチくらいの 短い髪なのに
「思春期?」
と聞くと
「ううん、発情期」
「え〜、遅いなあ、タチ悪いで」
最近、笑う忍君を見ると 1upキノコをとったマリオのように ぶるぶるぶるん!と 固まって震える感じがする
金縛り?
っていうか もう体が言うこときかない
「ね、腰揉んであげるから 肩もんでよ」
忍君が私の肩に手を置く
ハグしてくれなんて いえないから
これがせめてもの 私の欲求
ぎうぎうと 力まかせに押す忍君 あまり上手とは言えないけれど とにかく幸せ
痛すぎて 息を吐くとき笑ってしまった
しばらくして また笑ってしまう
「痛いの?」
違うよ
もう飛び上がって 尻尾振って 窓から顔を出して叫びたいほど
嬉しくて死にそうなの
どうにもならないの
「硬いなあ お客さんより硬いやんか」
「ありがと、気持ちよかったよ」
「もういいの?」
「うん、なんか申し訳なくなってくる」
私が遠慮してるのが分かって 忍君はしばらく揉みつづけてくれた
そして最後に
ポクっと
私の頭を叩いた
私にイジメられるキャラなのに
そんなことされると
泣きそうだ
嬉しい 嬉しい
私、狂ってる
最後にスタッフルームで着替えをし終わって タイムカードを押そうとすると まだ時間になってなかった
あと一分
外で着替えていた忍君が入ってくる
「タイムカード、押しておいてあげるよ もう、帰りな」
忍君は
「いいよいいよ」
と笑う
そして、あ、と声をあげた
スタッフルームにあったカレンダーが なくなってる
ロッカー代わりにつかっている 低い棚の後ろに落ちてしまったらしい
ぐぐっと忍君が動かす
まだ手が入らない
ホウキを取り出して 一生懸命カレンダーをほじくりだそうとする
わーーーーー!
理屈じゃなかった
もう、その広い背中を見てると
抱きつかずにいられない 思いに襲われた
気がつくと 忍君を放って
一人で外に飛び出ていた
駅まで一緒に帰ればいいのに
お疲れ様、と声もかけずに
私、明らかに挙動不審
もう、狂ってる
彼氏いるのに
別腹、じゃないけど
全く別の気持ちで
忍君を愛してる
あと一週間で会えなくなるなんて だれか だれか
私の頭を死ぬほど殴って
忍君の記憶を消してください
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