○プラシーヴォ○
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2002年03月04日(月) そうだ、タイ行こう

「ごめん、もう一回言って」

youちゃんがテーブル越しに
若干私の方へ身を乗り出して尋ねた

可愛い硝子細工に入ったロウソクの炎が
ユラリと揺れる

ここはバリ料理の店
室内はやたら薄暗い
自然と声がひそまる客達

私も同様、いつもよりトーンダウンした声で
もう一度youちゃんに告げた

「あのね一週間ほどタイに行ってくるんだ」

「…ハム男君、休暇とれたの?」

「ううん、私1人で行くの」


だって、だってがちゃ子
海外旅行一回しか行ったことないのに?
飛行機の乗り方分かるの?
タイって日本語通じるの?
治安はどおなの?
なんでよりによってタイなの!
ツアーじゃないの?
どおすんの!

えー、とか、嘘だあとか
いろんな単語を織り交ぜながら
youちゃんは矢継ぎ早に私に質問をする


しばらくして、クールライムというカクテルを
口に含んだyouちゃんは、呆れたように笑いながら
私の顔をじっと見た


「3月いっぱいで会社を辞めて…
 そのまま就職活動に流れ込むのが嫌だったの
 
 人生の中で、ハレっていうか
 華やかっていうか、後ですぐに思い出せるような
 点になる思い出が欲しいのよ」



「タイにでも行こうかなあ」
と思ってから
チケットを手配したり
ホテルを予約する間の記憶があんまりない

もう1人のアクティブな私が
出不精の私に変わって指示をしているような
不思議な感覚だった

結婚も、旅行も勢いだ

というのを
痛いほど感じた

いや、結婚はマダだけど


旅慣れていない私は
考えれば考えるほど
億劫になって、怖くなって
きっとどこにも行けない

考えない

たまにはそれも大事

面倒くさいことは
帰りの飛行機の中で
考えよう


がちゃ子 |偽写bbs

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