○プラシーヴォ○
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2001年07月01日(日) 手を握ってて

朝、目を覚ますとシンガポールから母が帰ってきていた。

「はい、これハム男くんにおみやげ。今日会うの?」
「・・・ううん。会わない」

−もう2度と渡せないかもしれないよ−
心の中で母に言う。

電車に乗って、1番好きな街に散歩に行った。
日傘を通して紫外線が私を焼く。じりじりじり。
頭がボウッとする。

落ち込んでる時って、楽。
しゃべりたくないのも、やる気がないのも
落ち込んでるせい。

生きてるだけでせいいっぱいだと言い訳ができる。
海の底辺でどろんと寝転がってればいいんだもん。

元気で、恋愛もうまくいってる時が大変。
充実していると、さらに上のことを考えなくてはいけないから。
波間を、太陽をあびながら泳いでいかなくてはいけないから。
物事が見えすぎて、鮮やかすぎて辛い。

夕方、家に帰ると母が玄関に飛び出してきた。
父方の祖母が危篤で、今から横浜へ行くという。

夜、ひとりぼっちで寝る。
クーラーの音が怖い。
鳥の鳴き声が怖い。
冷蔵庫のモーター音が怖い。
怖い怖い。

ハム男の声が聞きたい。


がちゃ子 |偽写bbs

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