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■ 艶 夢
アスファルトの道ではない。
むしろ、農道。
あぜ道というほどひなびてもいない。
背後に濃密な気配を感じる。
いはらが、あたしに近づいてくる。
何か、たくらんでいるのだな、とわかる。
てぬぐいをかぶった、いかにも農家のおばさんみたいな人がこちらに向かってのんびり歩いてくる。
後ろから抱きすくめられ……る。
(……いや、人がくるのに……)
と声に出して言おうとするのだが、本当はとてもうれしくて、天にも昇るここちでいるかのように思っているので、くぐもった声で、もごもご言ってるだけ。
ものを食べながら話すんじゃありません……! みたいな。
それとも、後ろから大きなてのひらで口を封じられていたせいか。
勝手に農婦と決めつけたおばさんが、相変わらずののろさで、てくてくと前を通り過ぎる。
いはらは、あたしのスカートをたくしあげ、下着を脱がせてしまう。
露出した性器に、草の匂いのする風がここちよい。
あたしの夢の中にいはらが登場するのは、つきあってこれで4年になるが、初めてかもしれない。
場所が都会の雑踏ではなく、農道なのは、お互い田舎に住んでいるからだろうし、場所は長野だと、はっきりしているのは、去年の康夫ちゃん報道を長時間一緒に鑑賞したせいだろう。
2003年02月26日(水)
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