singersong professor KMの日記

2011年11月08日(火) TPP

 この頃、メディアはTPPでもちきりだ。当然のことながら、日経はTPP賛成派である。それはそれでよいとしても、産業界対農業団体という構図が面白くない。革新派対守旧派の対立と見える。日経では、TPP参加を契機に農業改革をすべきという。ところが大規模農業推進論を言うばかりで、農業改革の具体策を何も言わない。日本の農業が大規模化してアメリカほど大きくできるのか。中国に太刀打ちできるのか。日本らしい改革を提言すべきではないか。

 よくいわれるように、サクランボが自由化されても山形のサクランボ農家は生き残っている。山形の農家がサクランボのおいしさやブランド化の追及で生き残ったという事実から、日本の農産物のブランド化を進めるべきではないのか。政府の方針も大規模化一辺倒だ。農業経営の視点がない。単純な経済学を農業に当てはめて、大規模化したら何とかなると考えているようだ。日本農業のイノベーションこそが生き残りの道ではなかろうか。

 もちろん食糧安保も考えるべきだろう。これは経済問題ではない。政治問題である。すべてを経済問題に換言する今の取り上げ方はおかしい。政治問題でもあるはずである。

 経営問題、政治問題という視点がないから、今の議論は不毛に見える。


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