円高,株安で,騒然としている感じだ。日経平均も12,000円をあっさり割り込み,ドル下落も激しい。円高ドル安は,まだ続くのではなかろうか。80円くらいを試す動きがあるのではなかろうかという観測を聞いた。アメリカの景気悪化ももう少し進むだろう。ベアー・スターンズの流動性危機などはその一兆校にしか過ぎないのだろう。実体経済の悪化が問題だろう。
で,ドルが基軸通貨から滑り落ちるのかというと,そうはならないだろうというのが大方の意見だ。基軸通貨というのは一つの制度である。経路依存性が高い。すでに米国経済が世界での圧倒的な力ではなくなってきていることは事実としても,基軸通貨は国際通貨体制の,つまり制度的なものである。米国は軍事力とソフト・パワーで優位である。文化,制度,そして通貨という制度で,まだまだ衰えていない。確かに通貨は経済と密接に関係しているが,通貨体制は制度そのものだと思う。だからドルが容易に基軸通貨から滑り落ちないわけだ。
どうも,日本ではソフト・パワーに対する理解が弱いように思う。政府の政策にせよメディアにせよ,ハード面にしか目が行かないようだ。その限りでは後進国だと言わざるを得ない。最悪は文化面に注力しないことだ。日本の文教予算の低さは目に余るものがある。経済人にも文化への理解のある人たちが多くないようだ。まして官僚はそうだ。だから公民館やホールのようなハコものはつくるけれど,その中身はお粗末だ。そこで行われるはずの企画がない。別にこれは政府に限ったことではない。わが大学でも同じだ。美術館や「こましな」ホールがない。公演もない。暇もない。忙しいとは立心偏に亡ぶと書く,つまり心が亡ぶということだと,かねて言われている。その通りだ。
文化を大切にしない国はさげすまれるのが世界の常識なのだが,どうもこの国では常識ではないらしい。この大学でも同じように思う。自戒を込めてそう思う。
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