singersong professor KMの日記

2008年03月10日(月) ポピュリズムの弊害

 今朝の朝日新聞で,防衛省の最近の混迷ぶりが特集されていた。3回続くという。お粗末といえばお粗末だが,どうも日本人は(こういう言い方はあまり気に入らないのだが,そうも言いたくなる),システム思考が弱いように思う。とくに,巨大システムの構築は上手ではない。大きな構想力となると,どうも弱いのではないかと思える。ハードには強いが,ソフト・パワーに弱い。局所には強いが大きな構想には弱いように思う。かつて,竹下元首相が言っていたことを思い出す。司司(つかさつかさ)にまかせておけばよい,というようなことを言っていたような記憶がある。日本的経営の御神輿型経営に通ずるものがある。トップは担がれて,御輿に乗っていればよい。「良きに計らえ」といっておけば,あとは司司がうまくやってくれる。日本の場合,確かに現場は優秀である。ところが,トップに構想力があるわけではない。激動の時代にこれでうまくいくのだろうか。

 戦後日本はうまくやってきたことは事実だ。だが,局所でがんばっているうちに,成り行き任せで運良くここまで来たようにも思える。戦後すぐには,戦前の国士のような人物もいた。70年代,80年代とますますそういう人材も亡くなり,政治家や官僚が小粒になってきたように思う。唯一民間企業では世界を相手に戦っているので,もともとの局所での強みを生かしながら,試行錯誤を重ねて世界的企業を中心に,強くなってきているように思える。けれど,政,官はどうもそうではない。それが今回の防衛省の混迷に見られるように思う。政治家はどうしても人気取りに走りがちであるので,ある面やむを得ない。ポピュリズムの弊に陥りがちである。これは洋の東西を問わないように思う。どこかでエリートなり,シンクタンクなりがしっかりしている必要がある。一昨日NHKで,教育問題が特集されていた(「大丈夫ですか?日本人の学力」)が,聞くに堪えなかった。途中でスイッチを切った。こんな問題をポピュリズムに任せたら,とんでもないことになる,それを感じさせられた。

 政治家が人気取りをして大変なことになる例として,いわゆる「石原銀行」がある。今朝のネットのニュースでも次の記事を発見した。「新銀行東京 旧経営陣「監査は不要」 18年9月中間 焦げ付き率圧縮」(http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080310-00000046-san-soci)これに関連して,その「発案者」である大前研一氏が,自分が発案したものと,似て非なるものができてしまったと言っている。「“東京都の銀行”、巨大赤字の真相」(http://www.nikkeibp.co.jp/sj/2/column/a/70/)そうだろうと思う。政治家の人気取り,つまりはポピュリズムがどんな結末をもたらすかを見事に実証していると思う。


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