singersong professor KMの日記

2006年11月02日(木) 白川静先生

 我が立命館大学が誇るべき学者,白川静先生がなくなったと報じられている。享年96歳。天命と言うべきだろうが,その強靱な精神力で最晩年になってようやく世に認められ,今日に至っていたわけだ。一度しかお話をうかがうことは出来なかったが,実に含蓄のあるお話だった。昨年ここBKCでも,白川静展が行われていたので,早速足を運んだものだった。立命館大学の中でも,決して恵まれていたわけでもなかったと聞く。その業績が大学をして白川先生を認めざるを得なくしただけである。この大学人の不明を恥じるべきだと思う。純粋の立命人で文化勲章をもらった人が他にいるか。考えてみればわかるはずである。私財を投じて大学内に研究所を開設された。本来大学自身がそうすべきはずだと思う。

 閑話休題。

 下記記事を読んで,戦後日本の住宅政策の軽薄さを思う。50年で「老朽化」して建て直さなければならない建物って何だろう。それも当時の高級住宅だったと言うから恐れ入る。バラックのような建物ばかり建てて,少しもストックとして蓄積されない。しかも,この阿佐ヶ谷住宅がバラックであるとは言えないようである。建物というのは本来文化のはずである。それは日本の古い寺院を見ればわかる。欧米の教会でもそうだ。そんな寺院だけではない。戦前の民家の中には,民俗文化財になっている家もある。それも木造である。

 それともう一つ。現在の阿佐ヶ谷住宅が建て替えを必要としているのかどうかという問題がある。これを補修維持することも可能である。実際下記で紹介したように,建て替えに反対している人もいる。それから判断すると,「老朽化」は口実の可能性がある。こういう建て替え「文化」のもとでは,いくらでもバラックを容認することになる。とにかく建物はバラックで良いという発想となる。事実最近の建て売り住宅などを見ていると,バラックまがいのものがある。建築基準法にも問題がありそうだ。
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高度成長期に分譲、築半世紀の阿佐ヶ谷住宅取り壊しへ

 緑豊かな空間に赤いトタン屋根のテラスハウス(庭付き連続住宅)が並ぶ東京・杉並区の「阿佐ヶ谷住宅」が老朽化に伴い、来年にも取り壊される。

 高度成長の初期に都市近郊型の分譲住宅として登場、モダンなデザインが話題になった。増築もできるゆったりした庭と、住民の触れ合いの場として緑の共有地を設けたテラスハウス群は全国的にも珍しく、取り壊しを惜しむ声も上がっている。

 同住宅は建築界の巨匠・前川国男らの設計。1958年に日本住宅公団(現都市再生機構)が計350戸を分譲した。

 田んぼや沼地を造成した約4万8000平方メートルに、3〜4階の中層棟7棟と、2〜8戸の2階建てテラスハウス45棟が並ぶ。大卒初任給が1万2000円足らずのころに、分譲価格は143万〜183万円。「高価なため、部課長級の社宅として法人が購入するケースが多かった」と昔からの住民は言う。(読売新聞) - 11月2日10時43分更新

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■阿佐ヶ谷住宅とは?
阿佐ヶ谷住宅は、杉並区成田東にある全戸数350世帯の日本住宅公団の分譲型集合住宅である。地上3〜4階建て鉄筋コンクリート造の118戸と、地上2階建てテラスハウスタイプ232戸(陸屋根タイプと傾斜屋根タイプが混在)で構成され、うち傾斜屋根型テラスハウスの174戸は前川國男建築設計事務所の設計による。1958年(昭和33年)竣工と同時に入居が始まり、2006年冬に取り壊され再開発される予定。現在は空き室も多く、350世帯のうち160世帯ほどが入居している。築47年(2005年現在)。 (http://www.geocities.jp/asagaya_jyutaku/page/what/index.htm)

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阿佐ヶ谷住宅の写真などは下記サイトにある。

http://cabanon.exblog.jp/965032/

http://tfblog.blog6.fc2.com/blog-entry-19.html

http://www.index.co.jp/chiehou/blog/archives/000065.html

http://blog.goo.ne.jp/yoshidaho-muzu/e/4c0b1da09a977022cc0588a3133524f6

建て替えに反対している人のサイト

http://asagayajutakukaihatsunews.blogspot.com/


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