singersong professor KMの日記

2006年10月03日(火) 失敗学

 失敗学会というのがあるそうだ。飯野賢次「「失敗をゼロにする」の嘘」(ソフトバンク新書,2006年)というのを読んでいると,日本社会は形式重視,本質が忘れられがちだなどという指摘を読むと,納得してしまう。

 何か事故などが起こったときに,「管理を強化します」などというが,精神論である。注意したらよいなどというものではない。失敗を繰り返さない仕組みを作る必要がある,と指摘される。その通りだと思う。大学でも同じだ。始末書を書いてすますのでは,いつまでたっても失敗はなくならない。時には失敗をした個人をせめてやめさせたりする。しかしそのミスがなぜ起こったのか,如何にすればなくなるか,その仕組みを作らない限りなくならないわけだ。そういうことが縷々書いてあった。

 失敗を冷静に考えてみればよいのだが,本人も,回りも右往左往して終わるのが実情だ。まさに,人間は不合理の固まりだ。日本社会は特にその傾向が強い。トカゲのしっぽ切りは,まさに仕組み作りを怠っている,これからも仕組みは作らず,当事者に責任をとらせて,まともに対処しませんと言うことを表明しているようなものだ。人を信用する社会は美しい。信用を裏切った人間はけしからん,だから辞めてもらう。それでは失敗はなくならないだろう。今日ますます,仕組みで対応する必要のある時代になってきていると思う。


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