singersong professor KMの日記

2006年06月09日(金) 村上ファンド

 昨日はRIMO(MBOの交流組織)の総会・懇親会が大阪全日空ホテルで行われた。なかなかの盛況であった。アクセンチュア会長の森正勝氏の講演の後,懇親会となった。MBOというのは,やはり名刺交換も大きな意味があると思う。同じ学舎で学んだ連帯意識が事業に結びつくというのがMBAの一つのモデルである。そう言う意味でこういった懇親交流会は意味がある。

 で,そこで卒業生のお一人から受けた質問。村上ファンドについて,この日記には余り書かれていないが,という。ライブドアについてはあれだけ書かれていたのに,村上ファンドについてはどうして書かれていないのかという質問であった。そのときも答えておいたけれど,それはもう,情報量の問題である。ライブドアは何だかんだといっても,上場企業であった。有価証券報告書なども作成公表されている。ところが村上ファンドは,実態がよくわからない。いくつかのファンドを組成して運営されているらしい。このファンドが,ライブドア事件で問題になった投資事業組合であって,公開会社と違って,何ら情報が公開されていない。

 上場企業の5%を超える株式を買い集めた段階で,大量保有報告書でそれを知ることができるという,それだけしか公開情報はない。それ以外何に投資しているのかは全く知らされていない。そのことが問題にされてはいるが,これはあの有名なジョージ・ソロス氏のヘッジ・ファンドとて同じである。これは洋の東西を問わない。世界的な金余りと規制緩和の「あだ花」というと言い過ぎだろうか。それでもバイアウト・ファンドのように,買い進んで経営者と意見交換をしながら,企業価値を上げていくのであれば,これはその存在意義ははっきりしている。村上ファンドの場合,売り抜け,短期利得が目的で,グリーンメーラーと何ら異ならない。「金儲けをして何が悪いんですか」と居直られると,鼻白む。

 企業価値向上を口実に,株主から利益をかすめ取る,そういう「金儲け」を臆面もなく行う,あまりにも正義感ぶってそれを行うのは,ファンドとしては良質だとは言えない。先だって,ファンド・マネージャーのY氏と話したときも,「村上氏はファンド・マネージャーとしては素人だね」の一言で片づけられた。「プロ中のプロ」という言葉が白々しい。しっかり仕事をしているファンド・マネージャーの皆さんからすれば,とんでもない奴だと思われたことだろう。時代に悪のりして正義感ぶって,それでいて,株主価値をかすめ取る,いくら証券市場でもそれはほめられたものではない。ウィン・ウィンでないと,それは誰もほめないだろう。確かに,提灯をつけて(後追いして)儲けた投資家もいるだろうけれど,終わってみれば村上ファンドは儲かったが,多くの株主は損をしていた,では恨まれるだけだろう。それもライブドアの時と違って,情報が余り無い。ライブドアの時は,よく見れば,怪しさはわかったはずである。

 ま,証券市場に多少の怪しさはつきものだとはいえ,目立ちすぎた。


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