経営・会計・商学分野は、まさに実学の分野である。理論研究を行っていても、いつも実務での有効性に配慮しなければならない。実務家がはっとするような新しい切り口、あるいは歴史研究でそこから何かを学べるものでなければならないと思う。某コンサルタント氏から、実学系の学会状況について手厳しい批判をいただいた(私信という形だが)。その批判の多くは当たっていると思う。
今回は某大学院生の報告内容についての批判であった。実証分析のはずだけれども、アメリカの実証分析をそのまま日本にあてはめて、自分の仮説を検証するという態度でなく、ただただアメリカの実証分析を日本にあてはめてみた(それもうまく処理されていないようだったが)というもので、これでは実務家の目から見たらとても聞くに値しないし、これは指導教員が指導していないのか、指導教員のレベルが低いのかのどちらかだろうという批判であった。大学人としては、耳が痛いが、あたっているとも思う。
確かにその学会のレベルが低いという面はある。すべての学会がそうであるとは言えないだろうが、他の実学系学会でも似たような状況はある。とても他人事とは思えない。どこかおかしい。私の師匠筋に当たるT先生は、だから、日本の学会を全くと言っていいほど、軽視ないし無視されてこられた。そうすると、日本の学会でのプレゼンスは低い。海外での評価は高いのだが、日本では低い。このギャップは何なのだろうか。先生が軽視ないし無視される理由もわかるような気がする。
残念ながら、経営・会計・商学分野には、従来、他の学問で一流になれなくて、こちらなら何とかなるという「何とか崩れ」の人たちも多かった。それはそれでよいとしても、実学系であるからには、実務・実際界ともっともっと交流すべきだったのだろう。そしてそこから学ぶべきだったのだろう。勝手な「象牙の塔」にこもってしまっていたのは、とくに、実学分野の学問においては致命傷だった。だからいつまでたっても、輸入学問(それも変な輸入)から抜け出せなかったように思う。
やはり、仮説検証という基本的スタンスから、実際界、とくに日本の実際界を分析すべきだと思う。もちろん海外を分析しても、日本、さらには世界的に役に立つという分析もある。
自戒の念を込めてこれを書いている。
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