科学研究費補助金申請のシーズンだ。書類の作成に結構時間を要する。しかし最近は大学でも申請を奨励しているので,これに応えようと言うわけで,作成にいそしむ。これが結構時間食いなのである。学内締め切りを過ぎてもまだ完成していないという有様だ。単独の研究ならさほど困難ではないが,共同研究の場合,結構大変だ。各人の業績や研究者番号などを知らせてもらう必要があるからだ。しかも今年から電子申請が導入され,手間もかかる。何にための電子化かといえば,作成者の手間を省くためではなく,受付側の手間を省くために行われるわけだ。電子化が利用者に以前以上の負担を強いているように思う。
コンピュータの時代になって便利になったかというと,必ずしもそうならない。というのは,顧客のためにコンピュータを活用しようと言う設計思想なのか,受付側の事務の手数を省こうという設計思想なのかで,全く異なるからだ。わかりやすいのは,JRのチケット販売などは利用者に便利な仕組みだと言える。もちろん販売側でも合理化されている。役所が絡むと事態は全く逆転する。良い例が,電子申告だ。納税申告が電子化されたと言うが,これなど納税者に負担をかけているだけで,少しも便利になっていない。確かに受付側の手間はだいぶ省けているのだろう。
銀行のATMなどは,時間外利用などは預金者にも便利だが,コストを負担させられている。銀行側は窓口業務に人をあまり貼り付けずに済むようになったから合理化は相当進んだはずだ。これなどは利用者側の利便向上2,3割,銀行側の合理化が7,8割(あるいはそれ以上)というところではなかろうか。こういうように考えていくと,コンピュータ化のねらいがどこにあるか,よくわかるように思う。一度誰かにまとめてもらいたいものだ。そしてそれを分析すれば,コンピュータはいかに活用すべきかが明らかになるはずだ。
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