日経新聞「経済教室」は,時々興味深い「論文」が掲載される。昨日,今日と続けて興味深いものが掲載された。昨日5日は,大阪大学の小野善康教授のもので,「赤字政府機関,すぐ民営化を」は疑問,だというもので,公的金融が縮小すればその分資金が民間に流れ,経済も活性化するとの見方は誤りだ,といわれる。公的金融を縮小しても,結局現状なら資金は国債に向かうだけだと言われる。私も以前そんな話をしたことがある。真の「民業圧迫組」は黒字の公的機関であって,こここそ民営化すべきだと言われる。そしてまた赤字機関であっても,必要なら税金を使ってでも維持すべきものがある。民間では維持できないから公的機関に任されているわけで,中小企業金融公庫などどちらかといえば,社会政策的存在でもある。ここは税金を投入してでも維持する必要があるかも知れないわけだ。これも私が学生諸君に話していることだ。小野氏の指摘は間違っていないと思う。
今日6日の「経済教室」では,同志社大学の鹿野嘉昭教授の「金融コングロマリット化は必然」は錯覚だというものだ。総合的金融サービスの提供はよいとしても,それをすべて自前で提供することの問題点が世界的に浮上してきている。だから,むしろ今後は「選択と集中」の時代だというわけである。これもかねて私が言ってきたことだ。メガバンクが騒がれたのは,ただただ,不良債権で苦しんでいる銀行が,「too big to fail」大きくてつぶせなくして,ただただ生き残り戦略をとったにすぎない,それをメガバンクというきれいな言葉で語ったに過ぎないわけだ。ようやくこういう主張が掲載されるようになったことはよいことだし,私も味方を得て,心強い限りだ。
昨日,今日の「経済教室」はよい主張だと思う。でも,私に言わせれば,はじめからわかっていたことで,こういう意見も採り入れた政策がどうして取れなかったのかと言うことだ。でも,今からでも遅くはないと思う。これらの意見が政策に繁栄されることを望むものである。
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