singersong professor KMの日記

2005年08月16日(火) 「郵政民営化」に思う

 何とかの一つ覚えのように「郵政民営化」が叫ばれて,これが選挙の争点になっているかのごとくだ。伊藤忠商事会長丹羽宇一郎氏が,これに関連してバランスの良い意見を述べられている。今日の日本経済新聞(2005/08/16号)5ページ「(どうする構造改革)識者に聞く(5)」で,次のように述べられている。全く正論だと思う。本当の改革の難しさを知ってか知らずか,争点をずらす「ええ格好しい」の政治家に,国民はいとも容易にだまされるもののようだ。

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郵政民営化、一度白紙に
 ――経済同友会の行政改革委員長として郵政民営化を支持してきた。
 「白紙に戻し、やり直したらいい。窓口サービス、郵便、郵便貯金、郵便保険の四事業体に分割する民営化にはリスクがある。貸し出しなどの銀行業務部門は素人ばかり。そもそも民間企業は借金を返しており借り入れ需要は少ない。潤沢な資金を官だけで使わず、民間にも流すことが郵政改革の根幹だったが、三百五十兆円の資金を民間に流すといっても今となってはありがたくない」
 「むしろ必要なのは郵貯と簡保の将来的な廃止だ。郵便事業は当面、必要なものを税金で運営すれば済む。郵貯と簡保が消えていけば三百五十兆円の資金は民間に自然な形で流れてくる」
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 ――企業のリストラに比べれば官は甘いか。
 「官は現状維持が美徳だが、民で現状維持は脱落だ。官は『五年間で五%の経費を削減する』という。民間でそんなことを言ったら『いいかげんにしろ』と怒られる。百本の鉛筆を一年間で一本節約するだけの話で、何もしないのと同じだ。少なくとも一年間で五―一〇%の経費削減が民では常識。官民の違いは歴然としている」
 ――公務員には意識改革が必要だと。
 「公務員法を改革するしかない。人事制度、評価制度を変えないと本当の改革はできない。公務員の身分保障をなくし、労働三権(団結権、団体交渉権、争議権)を与える。雇用保険にも入ればよい。成果をあげなければ意味がない」
 ――行政改革の道筋は見えてきたのか。
 「国の構造を改革する際に一番大事なのが行政改革。小さな政府、効率的な行政だけでなく、年金改革や少子化対策、議員数の削減、衆参両院のあり方の見直し、国と地方の役割分担など幅広い分野を含んでいる。これが国家構造改革の本丸になる」
 「財政改革はその中心にある。この本丸に迫ってほしい。小泉さんは道路公団改革や郵政民営化という入り口に足を踏み入れたにすぎない。やりたいことの十分の一もできなかったのではないか。意欲的な改革を進めてきたが、残りの任期一年では時間が足りない。ご自身も残念なはずだ」
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 ――政治に改革の旗手を期待できるか。
 「巨人軍元監督の川上哲治さんに『V9』の秘訣を聞いたことがある。川上さんは王や長嶋ら実力者がいたからだと言った。どんな名監督でもその思いを実行する実力者がいなければ、偉業は成し遂げられない。企業も国も一人では改革はできない。小泉政権の場合、小泉監督の下に実力者がいなかったのではないか」
 「王や長嶋がいないなら育てなければいけない。小泉さんが一人でスターになり、国民は小泉さんだけに拍手するから、ますます一人でやれるとの自覚をお持ちになったのではないか。それはごう慢でもある」=おわり
ポイント
○郵政民営化は一度白紙にして仕切り直し。郵貯と簡保はいずれ廃止する。
○政権の最大の課題は行政改革。民間と同レベルの経費削減目標を掲げよ。
○公務員の意識改革が必要。身分保障をなくし労働三権を与えるべきだ。



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