昨日,某社長とお会いして話した。親会社からリストラを迫られたけれど,新規事業を立ち上げて,それを収益源にしてリストラを回避した,との話し。以前から海外で活躍されていたにもかかわらず,業界に「珍しく」日本派であることは知っていたけれど,こういう業績を残されていたのを,話していてはじめて知った。私と話が合うのはそのせいだろう。
「日経ビジネス」今週号(12月20日・27日号)巻頭で,中野克彦・日本ゼオン会長が,やはり赤字部門をなぜ撤退しないのかとアナリストから詰問されても撤退しなかったという。「社員の志気が低迷していただけに,会社の活力を回復するためにも人員削減だけはしてはならない」という確信があったという。新規事業の可能性が見え始めてから赤字部門からの撤退を決断したという。で,「撤退にもかかわらず人を削減せずに済み,険悪だった組合とも一気に信頼関係が生まれた。」という。
「会社に活力をもたらすのはやはり社員との信頼関係です。効率経営の重要性ばかりが強調されがちですが,経営陣と社員が一丸となって知力を尽くす日本的経営の強さを忘れずバランスを取ることが大事と思う」と言われている。我が意を得たりの思いがする。いつもうまく行くとは限らないとは思うが,そういう社長のいる会社は生き残れるのだと思う。
今朝の日経1面「新会社論」でも「内側から見た富士通−「成果主義」の崩壊」という本で問題ありとして知られる富士通で,10月に人事制度を改め個人重視から組織重視へとカジを切ったと報じられていた。そうだろうと思う。現場を無視してトップが時流に乗って世間受けを狙った「改革」をするという最近の風潮は決して良くない。かねがね私が思い,主張していたことが,実証されてきているように思う。心強い限りだ。
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