最近の厳しい情勢を受けて,就職活動で学生諸君が苦労している。今年の4回生の状況など,昨日の3回生向け就職対策補講ゼミで,よく分かった。例年ならもっと楽勝だろうと思われた諸君が結構苦戦していた。
来年度は,さらに厳しいのではないかと予想される。とはいえ,学問に王道があるように,就職活動にも王道はある。基本に忠実,これに尽きる。よく言うのであるが,敵を知り己を知らば百戦危うからず,まさに「企業分析」と「自己分析」をきっちりやる。特に今の人たちにいえるのは,「自己分析」が大切だということである。
自分を客観的に見る,良い機会なのである。案外,自分の置かれている位置を知らない諸君が多い。案外とはいえないかもしれない。これが結構難しい。人間どうしても主観的になる。自分を客観的に見ることは難しい。客観的に見られるかどうかが,大人かどうかの,分かれ道かもしれない。
別に女性蔑視で言うのではないが,主婦のなかにきわめて主観的な人がいる。社会経験が乏しい,元来女性が社会性を持つよう育てられていない,等々が原因でそうなるのだろう。今はやりの言葉で言えば,「ジコチュウ」ということになる。地動説ならぬ,天動説である。
謙虚に世の中を見れば,分かるはずなのだが,夫や親に守られていると,自分が置かれている位置が見えなくなる。別にいつの時代にもあることだが,大学生がエリートでなくなってからは,ますますそうなってきている。良きエリート意識がなくなると,社会と立ち向かうという意識が薄れるようだ。
もちろんみんながそうだとはいえない。社会性豊かな諸君はいる。とはいえ,「自己主張」とか「こだわり」だとか言えば,聞こえはよいが「ジコチュウ」である場合がある。自分の存在をじっくり見直す,結構難しいが,それが大切だ。世の中いろんなものが見えにくくなっているだけに,大変だ。「ジコチュウ」でない「自己主張」が望ましい。
まずは学生諸君の健闘を祈りたい。
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