singersong professor KMの日記

2002年09月20日(金) 一読を薦めます

 「文芸春秋」10月号特集「アメリカ不信」というのがあります。一読を薦めます。一番よいのは,伊藤忠社長の丹羽宇一郎氏の「さらば,落日の経済大国」です。私の日頃いっていることとそっくりで,溜飲を下げました。

 とくに,コーポレート・ガバナンスについて,何かといえば社外取締役だ,などというコーポレート・ガバナンス論を痛烈に批判しています。「組織を変えたり,ガバナンス体制を整えたからといって,たちどころに経営が立派になることは,まずあり得ない話です。」(210ページ)といっています。

 社外取締役を置くことを法律で定めたことについて,商法改正の中でもっとも愚かな改革だったと評しています。社外の人に会社のことが分かるはずがない。アメリカでうまく言っているようにいうが決してそうではない。それはエンロン事件を見ても分かるはず。

 我が意を得たり。アメリカ追従の時代は終わったといわれています。その通りだと思います。自分の頭で考えて,コーポレート・ガバナンス体制も自前で作らないとどうにもならないはずです。丁度,来週コーポレート・ガバナンスに関して講演するのですが,そんな話をしようと思っていた矢先に,この丹羽氏の記事を読んで大変意を強くしたところです。皆さんに一読を薦めたいと思います。


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