別のMLでこんな事を書きました。こちらでも紹介しておこうと思います。
某研究所の社長とご一緒したのですが,私は「日本政府の国家戦略が無く,最近は国粋主義的になってしまう。」と話しましたが,共感を得られたようで,意を強くしました。
どうも最近の日本はおかしい。これが私たち国民の多くが感じていることのようです。もちろん,政府を選んだのも私たち自身です。
若者を叱ったら,それは自分に唾するのと同じです。若者は私たち大人の鏡ですから。それと同じで,政府を叱ったら,これも自分に唾することかもしれません。どうやら日本人が軟弱になったのは間違いありません。
千石保「新エゴイズムの若者たち−−自己決定主義という価値観」PHP新書,を最近読みましたが,現在の若者気質を知りたい人に一読を薦めます。なぜガングロがはやって,廃ったのか。「援助交際」などというのが話題になるのはなぜなのか。自己決定,自己責任という言葉がはやりで,自分で責任をとるから,何をやっても勝手でしょ。これが若者の論理だそうです。
著者は,責任には,自己責任と同時に,社会的な意味があるはずだと論じています。その通りだと思います。他人に迷惑をかける,不快感を与える,それでも自己決定だから良いでしょといわれると,それは違うでしょ,ということです。
若者の自己決定主義には,過去の全否定が含まれています。伝統否定が含まれています。でも,過去は否定しがたく「ある」。客観です。主観だけでは生きていけません。その証拠に,給料を貰って生活するというのは,給料に値する働きを,「他人のために」しなければならないということ。ここでは「自己決定」では通りません。
「自己決定」をしたくても出来ないこともあるというのが現実です。現実を変えずに,「自己決定」しても,それは「自己決定」でもなんでもない。単なる独りよがりでしょ,というわけです。でも,若者にそれを教えていますか,ということになります。
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