昨日18日は東京へ出張した。新光証券本社へ経済学部平田先生と一緒に訪問して,新光総合研究所と立命館大学ファイナンス研究センターとの協力関係が築けるかどうかの打診をした。
夜は,サークルで後輩だった新光証券本店営業部長・執行役員の矢野氏と旧交を温めた。ゼミOBの新光証券田中君も同席だった。学生時代の話,相場の話,経済の話,実に多様だった。楽しく話すことが出来た。うまい酒で話が弾んだ。飲み過ぎに注意しましょう,というところだ。
閑話休題。一昨日も大学院生諸君に話したのだが,スティグリッツ「世界を不幸にしたグローバリズムの正体」(徳間書店)を読んでいて,アメリカの横暴な世界戦略にむかむかした。スティグリッツはアメリカのノーベル経済学者で有名であるし,世銀の副総裁まで務めた人だ。まさにアメリカの世界戦略の当事者そのものなのだが,アメリカの投資銀行,その意向を受けて動く財務省,その財務省の意向で動くIMFに,彼の政策が阻まれたという思いがあるのだろう。
いわゆるアメリカ財務省,IMF,世界銀行というワシントン・コンセンサスがアジアを危機に陥れ,ロシアをめちゃめちゃにし,アフリカなどの開発途上国を債務奴隷にしているということが赤裸々に語られている。まさにアメリカの世界戦略の中枢にいた人の証言だから嘘ではない。読んでいて,ホントにむかついた。アメリカはけしからんと思う。と同時にスティグリッツという良心的学者を生み出すのもアメリカである。日本でこんな学者がいるだろうか。森嶋通夫,宇沢弘文などという人がいるにはいるが,もう少し若いところでそういった人がいない。
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