singersong professor KMの日記

2002年03月11日(月) 証人喚問

 ついつい鈴木議員の証人喚問を最後まで見てしまった。予想通りの展開であった。この問題を通じて痛感したのは,日本における土建を中心とした利権構造の根深さである。

 鈴木という人間が土木の利権を仲介していたということははっきりしている。いらぬ高速道路ができたり橋ができたり,港ができたり,海を締め切ったり,などなど,利権から来ることは明々白々。

 最近「ゼネコン自壊」という本を読んでもいるところで,根の深さを思わずにいられない。大体が竹下政権の誕生に裏社会が関わっていて,バブル期に裏世界が表世界に深く関わるようになったこと,その際,土建が密接に関連していること,またそれに銀行などが資金提供をしたこと,こういうことが,その後の不良債権処理を遅らせたこと,こういうことを考えると,一鈴木議員の問題ではないことを知るべきだと思う。

 ましてや,自民党のプリンスとされた加藤紘一議員の疑惑も浮上してきて,腐食が構造的であることを思い知らされる。こりゃーもう駄目だという思いと同時に,世の中こういう事は洋の東西を問わずあちこちで起こることだ,というのも事実。

 要は,これら問題をどう処理するか,ということにつきる。世の中,どんなに厳しい規制を作っても抜け道を探す人間は出てくるもの。規制はしなければならないけれど,問題が発覚してから,どのように処理するかで,その社会の質が決まってくると思う。

 今回の場合でいえば,土建と利権の構造にメスを入れるべき時に来ているということを,そうしないと,日本の財政赤字問題解決への道がみえてこないし,またそうしないと健全な保守が育たないということを自覚すべきだと思う。今こそ,政界の自浄能力に期待したい。といいながら,無理だろうなと,思ってしまう。絶望しそうになる。

 バブル崩壊後も日本版ペコラ委員会(1930年代にアメリカで20年代の証券市場の熱狂の問題点を議会が徹底調査したのにならって)を作るべきだという意見が結構あったけれどもそれができなかったことなどからも,今回も無理だろうなと思わざるを得ないわけで,完全なクリーンはあり得ないとしても,そこそこクリーンでないと,政治への絶望が,全体主義をもたらすことが怖い。

 一体皆さんはどのように思われているのだろうか


 < 過去  INDEX  未来 >


singersong professor KM