Tonight 今夜の気分
去るものは追わず、来るものは少し選んで …

2008年02月11日(月) 足立区で無理心中 「 オヤジにやられた 」



「 人間とは、1週間の仕事が終わり、神様が疲れたときに

  作られた生き物である 」

                       マーク・トウェイン ( アメリカの作家 )

Man was made at the end of the week's work, when God was tired.

                                    Mark Twain



あまりにも愚かな人間が現れると、同じ人間として恥ずかしく思う。

また、その愚かさから何も学ばない御仁が多いことも、実に情けない話だ。


連休明けの朝は休養十分で、「 さて、今週も張り切っていこう 」 と普段より気合の乗った状態で出掛けたいところだが、決まって水を差される。

このところ、東京の山手線や中央線、大阪の環状線など、通勤客数の多い路線は、休み明けになると “ 人身事故 ” のため、列車が遅れるのだ。

この “ 人身事故 ” というのは、九割がた、線路上に飛び込んで自殺を図る連中の仕業によるもので、そのまた九割は、精神を病んだ者である。

彼らに対し、「 命を粗末にするな 」 と諭したところで聞く耳を持たないのは百も承知だが、せめて、地道に生きる者に迷惑を掛けないでほしい。

記憶に新しい事件では、昨年の2月、東武東上線で飛び込み自殺を止めようとした警官が巻き添えで死亡するなど、なんとも痛ましい出来事もあった。


三連休最後の月曜日、東京都足立区では、機械工の男 ( 52歳 ) が、斧で妻と母親を殺害し、次男の両手首を切断して重傷を負わせた。

男の遺書があり、頭蓋骨が陥没し両手首を切断された次男が 「 オヤジにやられた 」 と話していることから、無理心中とみて間違いないだろう。

遺書には、「 母親だけを連れていくつもりだったが、みんなを守れなくて 」 といった内容が書かれていたという。

自殺や無理心中を図る中年男性は、「 家族に対する責任 」 を果たせない類を理由に挙げることが多いけれど、大部分は 「 思い上がり 」 である。

自分の無気力さ、無能ぶりを、「 家族のせい 」 にしているだけで、すべては誰のせいでもなく、本人自身の問題でしかない。


高校三年生の長男だけは外出中で無事だったが、これから先の人生を、彼は、どうやって暮らしていくのだろうか。

ひょっとすると、彼が大学に進む費用や、二つ下の次男の学費など、父親には経済的な悩みがあったのかもしれない。

しかしながら、結果として長男に残されたものは、手首の無い弟と、おそらく一生の間、拭い去れない悪夢のような記憶しかないのである。

本人は死んで楽かもしれないが、妻や、母親や、子供たちは、間違いなく 「 この男の犠牲者 」 であり、そこに家族愛など存在しないのだ。

苦しければ死ねばよいなどと考えている人間は、たとえ生きていたところで 「 誰のことも守れない 」 わけだから、家族の心配などする立場にない。


昔から 「 親はなくとも子は育つ 」 などというが、異常な親がいるばかりに、まっとうな人生を送れない子供もいる。

自殺願望があったり、精神科の治療を受けている人は、家族や、隣人や、国家や、地球の心配をする前に、まず 「 自分を大事に 」 するべきだ。

特別なことはしなくてよいから、十分な睡眠と休養をとり、心静かに過ごし、専門医の注意を守り、新聞も、雑誌も、ネットも見ないことが望ましい。

家計や、子供の教育は配偶者に任せて、家庭や社会の雑事に関わらず、世間から後ろ指を指されても、ひたすら治療に専念するほうがよい。

ご自分が人並みに働けないことよりも、電車を止めて大勢の仕事を停滞させるほうが、はるかに莫大な損失を招くことも忘れないでほしい。






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