Tonight 今夜の気分
去るものは追わず、来るものは少し選んで …

2006年01月24日(火) ライブドア堀江社長に欠けていた部分



「 若者よ、私の成功の秘訣は、若くして自分は神ではないと

  悟ったことだ 」

         オリバー・ウェンデル・ホームズ ( アメリカの医者、作家 )

Young man, the secret of my success is that at an early age
I discovered I was not God.

                     OLIVER WENDELL HOLMES



若者は、未来への希望と大志を抱き、雄々しく苦難に立ち向かうべきだ。

ただし、それを成功に結びつけるには、少しの 「 謙虚さ 」 が求められる。


ライブドアの堀江社長が逮捕され、列島上の話題を独占した。

何様であろうと、法を犯した者が罰せられるのは当然で、氏の嫌疑が事実であるならば、司法の鉄槌が下されることになるだろう。

巷では、彼の存在を好ましく思わない 「 何者か 」 が、目障りになってきたので圧力をかけ、社会的に葬り去ったのではないかという噂もある。

真偽の程は定かでないけれども、「 やり過ぎ、目立ち過ぎ、嫌われ過ぎ 」 と三拍子揃った強引な振る舞いが、多くの敵を作っても不思議ではない。

そのような存在の有無に関わらず、とにかく違法行為に手を染め、それが白日の下に晒されたのだから、相応の償いを強いられることになろう。


私の嫌いな 「 勝ち組 」 という言葉があるが、多くの人やメディアが、堀江氏の人物評価に使用していたようである。

逮捕され 「 負け組 」 になったかどうかは知らないが、少なくとも彼は大きな失策によって、玉座から引きずり下ろされる結果となった。

彼が失敗した最大の原因は、彼自身が少し 「 謙虚さ 」 に欠けていたという部分にあったのではないかと、私は推察している。

私が唱える 「 謙虚さ 」 とは、他人に迎合しなさいとか、妥協しなさいとか、愛想をよくしなさいとか、礼節を重んじろといった、説教じみた話ではない。

礼儀作法とか協調性の問題ではなくて、「 怖さを知る 」 という意味だ。


不安ばかりで先へ進めない人も問題なのだが、物事の怖さを知らない人というのも、結局はどこかで失敗する危険性が高い。

誇り高く、自信をもって行動する姿勢は大事だが、「 裏付けのない自信 」 というものは、ただの 「 過信 」 に過ぎないのである。

企業買収や様々な商取引において、たしかに彼は多くの成功を収めてきたのだけれど、その成功は彼にとって 「 自信の裏付け 」 になっていたのか。

つまり、まったく同じやり方で、必ず次も成功するという 「 方程式 」 のような企業ノウハウ、あるいは個人ノウハウを培っていたのだろうか。

本来、ビジネスにはそれが重要なのだが、たまたま外見上は、それがなくても成功し続けてきたので、「 過信 」 を持ってしまったのではないか。


また、ビジネスで大事なのは 「 正しい方法で成功する 」 という、ごく当たり前の原則であり、これを軽視するのも 「 謙虚さ 」 に欠けている。

私の知人には、銀行、証券、その他金融業界で働いている人間もいるが、たとえば、製造業で働いている人間に比べて、少し感覚が違うようである。

それが悪いとは言わないが、他人のお金を運用して利益を挙げたり、右から左に動かして利益を得る感覚と、いわゆる 「 モノづくり 」 の思想は違う。

金融業では 「 利益 」 や、それに伴うサービスなどの価値だけが重要視されるが、製造メーカーは 「 商品の評判 」 など、様々な企業価値がある。

そういう意味では、投資業を本業としたライブドアのみならず、銀行や証券会社などもすべて、何も産み出さない 「 虚業 」 なのである。


問題は、このような 「 虚業 」 に対して、実態の数十倍にも及ぶ評価を与えてしまった株式の仕組みにもあるが、堀江氏自身もそれに溺れてしまった。

会社の値打ちとは、その会社がどのようなサービスや製品を生み出したり、あるいは流通させたり、世の中の役に立っているかどうかにある。

堀江氏の場合、それなしに、「 儲かっているんだから成功している 」 と豪語していたようだが、その論理には 「 次も成功する 」 という保証がない。

評判がよくなくても 「 儲かっているからいい 」 などとうそぶき、自分たちのやり方が正しいかどうかという点に、一切の疑問を持たなかった。

この裏付けなき 「 過信 」 が、彼らの落とし穴であり、最大の敗因である。


堀江氏を天才だとか、頭がいいと評価する人もいるが、そうは思えない。

本当に賢い人間、仕事のできる人間は、「 正しい方法で成功する 」 ことを目指すし、そのために必要な 「 謙虚さ 」 を身に付けているものである。

彼の立志伝に憧れ、同じような 「 濡れ手に粟 」 の大成功を夢見る若者に警鐘を鳴らすためにも、今回の逮捕劇は効果的だったかもしれない。

ただ、たしかに 「 1 + 1 = 100 」 みたいな成功を求めるには、並大抵の方法では難しいし、地道に稼いで大金持ちになることも容易ではない。

経営は 「 継営 」 であり、継続的に儲けるためには何が必要なのか、彼の失敗から学ぶべき点は多く、それができた人には成功が待っているだろう。






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