Tonight 今夜の気分
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2005年07月09日(土) 日本の恥



「 イギリス人にとってのティーは、室内のピクニックのようなものです 」

                            アリス・ウォーカー ( 作家 )

Tea to the English is really a picnic indoors.

                                ALICE WALKER



イギリス人の優雅な気質が滲み出ている、洒落た例え話である。

当然、その優雅な落ち着きを邪魔されたら、彼らは黙っていない。


ロンドンの同時爆破テロによる死者数は50人を超え、破壊された地下鉄などの施設を復旧するには、かなりの時間が掛かりそうである。

また、今後も同様のテロが起きる危険があり、警察はもとより一般市民の間でも緊張が高まっており、厳重な警戒が続いている。

事件が起きた背景に 「 2012年の五輪開催地はロンドン 」 と決まったこと、今回のサミット開催国であることは確実で、実に卑劣な犯行といえる。

五輪の誘致に沸いたロンドン市民を一夜にして不幸に陥れ、貴重な生命を奪ったわけで、犯人や、その背後組織の悪行は万死に値する。

必ずや犯行グループを突き止め、鉄槌を下すべきである。


事件の顛末について、ネット上でも様々な議論が交わされているらしい。

自由な主張を繰り広げるのは結構だが、テロリスト側の立場を擁護したり、あるいは 「 イギリスもテロリストと同罪 」 などと口走る狂人もいる。

人格障害者が数多くはびこる現代において、ネットの功罪とは、このような狂人の暴論が垂れ流しにされてしまうという点にもあるだろう。

特に、「 世の中から虐げられている 」 とか、「 競争社会で敗北を感じた 」 と拗ねている連中は、欧米の列強に対して批判的な側面を併せ持つ。

彼らにとって善悪はどうでもよく、とにかく 「 アメリカやイギリスなどの強大国が攻撃を受ける 」 と、嬉しくてたまらないのだから困ったものである。


彼らの放つ 「 アメリカ、イギリス ( あるいは日本も ) はテロリストと同罪 」 と述べる根拠は、主に以下の二点である。

�� イラク戦争に参加 ( あるいは協力 ) し、民間人を殺した。

�� 過去において、テロ組織に武器を供与した事実もある。

よほどの馬鹿者でなければ、「 なるほどね 」 と同意するはずもない根拠だが、いかんせん 「 人格障害者の時代 」 なので、同調する者も少しはいる。

子供の学力低下が問題視されているけれど、このような頭の回路が狂った大人や、面白おかしい解釈を好む狂人への処分こそが優先課題だろう。


賢明な方々に対しては説明の必要もないが、あえて 「 この考え方のどこが間違っているか 」 という点について、おさらいしておこう。

簡単に言うと、「 短絡的に結果だけを比較している 」 というところに、この暴論の矛盾点、狂気、非常識さが現れている。

つまり、「 テロリストはテロで人を殺したが、イギリス人も戦争で人を殺したでしょ 」 という結果の比較だけで、物事を語っているのだ。

そこには、「 なぜ、戦争に至ったのか 」 であるとか、「 なぜ、テロを企てたのか 」 という経緯については、すべてが不問にされてしまっている。

この暴論がまかり通るのならば、「 死刑囚を死に至らしめた裁判官も、人を殺したのだから死刑囚と同罪 」 と言っているようなものである。


イラク戦争以前のイラクは、フセインの圧政によって無実の人間が迫害を受け、あるいは非道な死をもたらされるという情勢にあった。

それに加え、過激なテロ組織に加担していた疑いが強く、周知の 「 アメリカ同時多発テロ 」 に関与していた可能性も極めて高かった。

もちろん、戦争以外による手段で弱者を救えれば最良だったし、フセインの犯行を全世界が認める形で立証できればよかったことは言うまでもない。

しかしながら、それらの作業を進めている間にも、多くの罪なき人々が命を落とし、不幸な事件が多発することは明白であった。

たしかに、平和的解決に対する努力が十分だったかと問われたなら疑問もあるけれど、けして利己的な判断だけで戦争を引き起こしたわけではない。


かつてナチスドイツが強制収容所でユダヤ人を惨殺していた頃、アメリカは 「 対岸の火事 」 と静観し、世界中の顰蹙をかった歴史がある。

イラクで何が起きていようが、「 自分たちの出る幕ではない 」 と黙殺するのは、まったくそれと同じことで、それを 「 平和主義 」 とはいえない。

アホな平和主義者や、ひねくれ者の狂人らに同調して 「 アメリカはイラクで人殺しをした 」 とのたまう前に、その歴史を振り返る必要があるだろう。

ドイツとの戦いに勝利して、開放されたユダヤ人は大いに歓喜し、連合国を賞賛したが、敗れたドイツの軍人、民間人には多数の死者が出た。

それをドイツ人が逆恨みしたり、報復的なテロを仕掛けなかったのは、自分たちの側にこそ非があり、それを認め、反省する良識があったからだ。


戦争や紛争の場合に 「 どちらが善か、悪か 」 を判断するのは難しいけれど、最初に非人道的な殺戮を起こした者は当然、制裁される定めにある。

それを野放しにすることは、秩序の崩壊や、不安定な社会の出現につながる危険を孕んでおり、良心的な人々にとって得策ではない。

もちろん 「 戦争もまた愚かな行為 」 ではあるが、解決策としての戦争と、破壊的なテロを同列で語るのは甚だ馬鹿げた話だと言わざるをえまい。

とにかく、テロの犠牲になった人々は、誠に気の毒な話である。

テロリストを擁護するような狂人を含む日本の一市民として、彼らの非礼を詫びるとともに、心より哀悼の意を表したいと思う。






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