部長motoいっぺい
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2002年03月14日(木) 車の購入(その1)

アメリカで生活する場合、車がなくても生きていける都市というのは、ニューヨークぐらいではないかと思う。
↑ってニューヨーク行ったこと無いけど。

僕の住む街もご多分にもれず、大人が不自由なく生活するためには一人に一台の車が必須である。

そんなわけで僕の前任のDさんも、奥さんとご自分の分と2台の車を所有していた。一台は6万マイルほど走った94年式カローラ、もう一台は11万マイル以上走っている96年式カムリであった。

日本では10万キロまたは10年以上経過した車は、お金を払って引き取ってもらう必要があるのではと思うのだが、なにせ車大国のアメリカ、10万マイル(16万キロ)ごときはまだまだ現役と捉えるのが普通のようである。

しかしながら、僕はこれまでの駐在経験者や研修生としてアメリカに住んだことのある人々から


「車だけはケチっちゃいかんぞ」
↑みなさん結構イタイ思いをしているラシイ・・


と釘を刺されていたのもあり、2台とも新車を買う覚悟を決めていた。
Dさんには早々にその旨を伝えてあったのだが、赴任直前にDさんから

「悪いんだけど、カムリ買ってもらえない?」

という泣きの電話が入った。

Dさんいわく、カローラは地域新聞の売りますコーナーに出した広告が元で、第三者に売ることが出来たのだが、カムリはまだ引き取り先が決まっていないとのこと。
96年モデルとはいえ、18万キロほど走ったカムリに難色を示す僕にDさんは、

「新車を買うなら、カムリを下取りに出せば良いんじゃない?」

と、とにかく一旦引き取って欲しいという。というのも、新車購入とセットでないと「帰国しなければならない」という足元を見られて買い叩かれるからだとのこと。

さらにDさんは、

「もし、下取り価格の方が僕の売値よりも安かったら、差額分払い戻すから」

「下取り価格の方が僕の売値よりも高くても、それはそれでいいから」

とかなり好条件を出してきた。

確かに僕も赴任してすぐに車を買う手続きを「車無し」または「レンタカー」で行うのは面倒だなと思ってもいたので、結局カムリを買うことに同意した。

ところで、引き取り価格はというと




















6900ドル≒90万円(当時)
18万キロ走った車にこの価格!日本の皆さん信じられますか?


アメリカには中古車引き取り価格の相場を示す「ブルーブック」という有名なWeb Siteがあり、そこに車種・年式・装備品や程度を入力すると、業者引取り価格や個人取引価格が示される。Dさんの言い値はこのブルーブックを準拠にしていた。

また、アメリカにおいては中古車価格が日本に比べてとても高い。裏を返せば、どんなにお金が無くても車が無くては生活できないという環境において、「走ることができる車」に対する価値が高いということである。

もし、この状況を知らずに値段だけ言われたとすれば、僕はDさんが尊敬すべき先輩であることを忘れて、




















このボッタクリ野郎!

と叫んでいたに違いない。



【追記】

駐在間での車の申し送り(売買)は結構一般的ではあるものの、大方の場合後任の駐在が先輩駐在に対し、ボッタクリ感を感じるようである。