かなしいうわさ
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2007年08月20日(月) フジロック感想文 2日目 その2

猛暑猛暑といいながら、早くも暑さがぬるみつつある。おれの夏が終わる前にフジのレポートを完了させなければ(;´Д`)






2日目 その2

「ジョナサン・リッチマンが大好きで ジョナサン・リッチマンと発音するだけで天国」

と歌ったのは山川のりをさん a.k.a. ギターパンダ

街中でジョナサンというファミレスの看板を見るたびに「えっ、ジョナサン?!」とビクッとしてしまうのは、俺だ。
(いや関西にジョナサンって全然無かったからまだ慣れないんだよ) 
つまらない冗談にきこえるかもしれないけど、ただの事実だ。
まぁ、そういうヤカラの書く感想なので、適当に割り引いて読んでやってください。







ビースティを抜けたその足で、まっしぐらに向かうのは苗場食堂。だいぶ早いけど、ビールでも飲みながらゆっくりとジョナさんを待とう。そんな暇な時間すらもいとおしいに違いない。あれ、人が多いな。日本で地味な人気はあるにせよ、ここ15年くらい新作出しても邦盤なんて全く出ないような人なわけだから、この状況はおかしい。皆たぶん何か他のバンドと間違っているんだろう。それか苗場食堂でおもちを撒くというデマが流れたとか。皆さん次はジョナサンですよ。ちゃんとタイムテーブルを確認しなさい。

お、ジョナサンだ。

「ギャー」

Jonathan Richman



ギャーてお前ら(;´Д`)
俺がギャー言うなら判るけどもだな「ウオオオ」
「ジーーョナさああああーん」
「イエーエエエエ」「ギョアー」

そうか。そうかお前ら。そうなのか。
この世にジョナサンが「ギャー」なんて歓声で迎えられる場所があるとは思っていなかった、でもフジなら起こるんだねこんなことが。日本ハムが日本一になったのと同じように、ジョナサンはフジのちいさいステージでギャーと迎えられた。迎えられたんだ。
ジョナサンが歓待されているだけでそこは天国だ。そうだろ?この時点で笑いながらヒクヒクと涙が止まらなかったのは恥ずかしいので内緒にしておいてください




ジョナサンはいつもしかめっ面でライブやる感じなんだ。あんまりニコニコしないイメージ。ライブのDVD観ていてもそうなんだ。かなり前に、ハイロウズがジョナサンを前座扱いで日比谷野音に呼んだときも、ほぼ終始しかめっ面で歌い踊ってた。それはそれでシヴかった。なのにもう今日は初手からノリノリのニコニコ。本当に愉しそうだ。ニッコニコしながら演奏している。声も愉しくて笑っちゃってうわずったりしている。そんなジョナサンの愉しげな演奏をみて、ジョナサンを昔からこよなく愛するものも今日はじめて見るものもごちゃごちゃに混じりながらニコニコと愉しそうに観ている。何なんだここは。もし俺が死んで天国行ったとしても、そんなんきっと無いけど、あるとして、この場所この瞬間以上の天国なんてないでしょうあるわけがないね 








トミー・ラーキンスのシンプルなカクテル・ドラムにのせて、アコギ一本で歌います
せつなくあまく歌いあげたってのに、曲間になったらギターを置いてカウベル叩いてダンシング。
どこかテレているような、でも何者も気にしていないような、奔放な、すっとぼけた、洒落た、貧乏な、だらしない、きれのいい、いかしたダンス。ああ、俺はドラムンベースだろうがハウスだろうがラテンだろうが、踊るときにはジョナサンのこのダンスを目指して踊っているんだよな。いや目指してたらたぶんずっとこのダンスには辿り着かないんだろう。ジョナサンは昔のライブで日本語でこう言った「ボクハ ムシンデ オドッテイルヒトヲ ミルノガ ダイスキダ」 そうだね 頭は真っ白でいこう
今のこのひたすらに愉しい気持ち、真っ白に愉しい気持ち、このきもちを少しでも憶えておこう、そして日々の生活でそのままそれを継続していこう、ああこれであと5年くらいは最悪の事が立て続けに起こったとしても生きていけるよ








皆が期待していた「That Summer Feeling」などなどの過去の名曲は演られなかった。ジョナサンのなかで終わってしまった曲は、ふたたび奏でられることはない。でも、この日に彼が奏でたそう有名ではない曲たちも、往年の名曲と同じきらめきを放っていたと俺は思うよ


she rocks she swings she delights in the faded things
Her mystery not of high heels and eyeshadow
she laughs, she delights, she delights in the faded colours of night
just like i do, just like I do

ロックもするしスウィングもするし、消えかけているものに、喜びを感じる
ハイヒールやアイシャドー抜きの彼女の不思議な魅力
笑い、喜び、色褪せた夜の色を楽しむ
ほんとに僕と同じ、ほんとに僕と同じ


Obsession and obscureより




ひとしきり演奏も終わり、鳴り止まない歓声と拍手に応えてアンコール一曲。ライブが終わり、苗場食堂から去る彼に、ワラワラと群がる観客たち。握手やら挨拶やらサインやらで人の渦ができて動けないジョナサン。困ったような、嬉しそうな。でもやっぱりニコニコしてるわ。その姿をみながら、明日のライブへの期待感を膨らませつつ、車へと戻った。真っ暗な空に星が綺麗じゃないか。どうもこの世はまんざらじゃないね。






昨日のBBQで残った肉を大量に喰らったのち、幸せな気持ちにつつまれながら死んだように就眠







今日も寝ますよ。にごり酒を飲んでお休みなさい。

















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