かなしいうわさ
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2007年08月16日(木) フジロック感想文 初日 2日目

上野で串カツで呑んだくれで午前様で。いや暑いから仕方ないよ。暑さのせい。






フジ2日目。


昼前におっとりと起きる。もう夜遊びした次の日の早起きは無理。若い積りが年を摂った。いつもの通り露天につかる。今年も無難に最寄の本陣へ。いい湯。

今年は全体的におっとりしてたな。例年は奥地(ヘブンより奥)にばかり居るのが常だけど、今年はグリーン後方でグデーッとしてる時間が多かった。観ようと思ってたのに諦めたElena Jamesがえらく評判良くて悔しい。これも以前ならダッシュで駆けつけてたよなあ。若い積りが年を... まいいか、とチクチクチクを寝ながら観る。






!!!(chk chk chk)
おお、予想以上に良い。yeahヽ(´ー`)ノyeah これはいかんと飛び起きて、ステージ前まで駆けていきひと踊り。
このバンド、歌詞は結構政治的なんだよね。そういうアーティストが持っているエエ具合の「硬さ」は、ダンスミュージックと本当によく合うんだよ。カレーと福神漬レベルで合う。俺らは歌詞の内容なんてまるで分からんまま無邪気に踊るだけだ。それで全く問題ない。
ボーカルの男がピチピチの短パンで不思議な踊りを踊り客をアジったりと、意外とステージ巧者でした。良かった。


左のヤツがしなしなと内股にして手を横にひろげてオシャマな踊りをしてた。アホである。そのアホダンスが観ている客に伝染ってて、皆アホ踊りしてた。最高だ。
フェスはお客さん含めていろんな踊りを沢山観れるのがいいなあ。他人の目を気にせず一心不乱に踊る人を見るのは本当に楽しい。よしんば運動神経がなくて変な踊りになっちゃったとしても、周りの人を心から笑わせることができる。ファンキーな話だ。俺も人から「あいつアホや」と大笑いされるような血も踊るダンスを自然とできるようになりたい。
何年か前に出たGang Of Fourのひとのバタフライぽい踊りも最高だったな。







オアシスで旧友と落ち合う。太陽がジリジリと照る中、ペットボトルに入れ替えて持ち込んだラムをガンガンガンガンガン呑む。ああ愉しいねえ。
Kula Shakerを横耳で聴きつつ、カレーの行列に並んでいたらレッド方面から陽気なカリプソのホーンが。リリーアレンか。カレー食いながらステップを踏んでレッド方面へ向かう。





Lily Allen
着いた。ギャー人多い!そりゃそうだよね、ラジオでもかかりまくり、今年の出演者のなかで、いちばん多くの人の耳に届いているアーティストだし。メチャクチャ混んでいてレッドの中にはとても入れないので、会場横の柵越しに拝見。



プクプクしとる。可愛い。可愛いワー。音はCDとほぼ変わらず。まあ音楽マニアなら大抵知ってるだろそりゃというベタなサンプルネタをポップにループさせてその上で可愛い娘がおしゃまなメロディを可愛らしく歌う。悪い筈はないよね。スカッ!と楽しめた。Professor Longhairの「Mardi Gras In New Orleans」ネタの曲で激踊りして、坂を転げ落ちたのは恥ずかしいので内緒にしておいてくださいね。








ここでまたグリーンに戻り、寝る。何やってんだよ俺(;´Д`)まぁきっと酔ってたんだ。
Kaiser Chiefsを横耳に聴きながらTシャツ売場へ行くが碌なもんが残ってない。XLとか要らんし... 諦める。ホテホテと奥地へ向かう。オレンジコート。Feistへ。









Feist
オレンジコートにやっと辿り着くと、既に演奏は始まっていた。なんか客をいじってるぞ。
「さぁ、そこのキャップ被ってるあなた。手をあげてちょうだい。アリガト。あと、そうね、そこの...あ!ブロークンソーシャルシーンのTシャツ着てる君!君!あーウレシイ、手をあげてねっ。さあこれで会場が3つに分かれたわよ。これでみんなは"フェイスト合唱団"なんだからねッ! それぞれのエリアで、それぞれの音程でハモるのよ。やってみましょう、いっせーの、はいっ、アーーーーーーーーーーッ、そうそうその調子。続けて アーーーーーーーーーーーーーーーイッ、ソッ、ソリィー」
と始まった「So Sorry」。
皆のコーラスが曲に融けてゆく。その曲がオレンジコートのステージ後方に大きく開けた青い空に、まっすぐにすーっと昇っていく。音と気持ちが混ざり合う。

いい時間だ。

そして、続けて演られたのは、ロン・セクスミスの名曲「Secret Heart」。 あの曲の持つ潔い美しさを、見事に捉え切った歌と演奏。曲が進むに従って、演奏も序々に高まっていく。その静かな高まりがほろほろっと溢れ出るさまの美しさ。すばらしい音によるすばらしい時間が過ぎる。




その後も、硬軟織り交ぜながら、自分の音楽を自分の思うままに観客と苗場の空に溶け込ませていった。

上手いアーティスト、巧いアーティストは沢山いる。そして、上手くも巧くもないけれど、説得力のあるアーティストというのもやはりいる。後者に重きを置いている俺には、録音物で聴くファイストにいまいち物足りなさを感じていた。でもこのライブでやっとわかった。この人はどっちも十分に持っている。音楽の神なんて居るわけがない。でも、もし居たとしたら、この人は選ばれている。俺が音楽家だったら、猛烈に嫉妬していただろう。世の中って不公平だ。だから面白いんだけど。







ああ、もうこの感動を胸にそっと残したまま帰宅したい。いやいかん、俺にはジョナサンがまだいるじゃないか... 呆然としたままグリーンステージにふらふらと戻る。イギーに思いっきり面叩いて目を覚ましてもらおう。








Iggy & The Stooges
バンドの音、冴えてるねえ!Mike Wattさっすがー。
肝心のイギー。吼えてる吼えてる。格好良い。


偉い。スゴイ。でも、往年の名曲を歌うイギーは、イギー・ポップという役を頑張って演じているただのおじいちゃんに見えてしまう瞬間が多々あり... 途中で気持ちがフッと醒めてしまった。例えばニールヤングは、往年の曲を演っても、古びていなかった。この日のストゥージズはなんだか懐メロに聴こえてしまったよ。ギミックはあっていい。ハッタリややせ我慢だってオーライ。でもやっぱり自己模倣は違うだろ。だって貴方はイギーなんだから。
といってもそんなの酷な話だよな、観てる側は気楽にそんなこと言うけどそりゃ無理って話。THE SHOW MUST GO ON。仕方ないよね。俺が観なければいいだけの話だ。



ということで、途中離脱して、メシ喰ってました。パエリアとか。







ほいで戻ってビースティ。

Beastie Boys
音小さい... もう問題外な位。隣の奴らの話し声の方が大きいという最悪の状態。
そして、致命的なことに、バックトラックが面白くない。昔から思ってたんだが、ミックスマスターマイクはセンス悪いよ。過去の名曲群はほぼ全て途中でビートを変更して臨場感出していくんだけど、このブレイクのセンスが悪いこと悪いこと。ラップに全く合ってない。Sure ShotやShake Your Rampを汚さないで! ずんずん醒めて、そのまま離脱。
しかし、友人に聞いたところ、後半のバンドスタイルになってからがすごく良かったみたい。音もでかくなり、Time For Livin'とか、果てはハードコア時代のEgg Raid On Mojoまで演ってたと。もちろんMoney Mark入りで。あーそりゃいいねえ。もうちょい我慢して居ればよかったか。








ああ(´Д`;)寝ますね








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