どんぐり1号のときどき日記
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| 2010年07月28日(水) |
「インセプション」観る |
MOVIX利府は今度の週末から、上映フロアがグレード・ダウンされ音響も映像もワンランク下がってしまうので、あわてて「インセプション」を観に行く。この映画はある程度良い設備で観た方が、楽しみも倍増されるタイプの作品だと思われたからだ。
観ている途中で気がついたが、内容が複雑な構造をしているのに、その説明などがごく自然で判りやすいので、素直に楽しめるようにしてあるという部分には感心した。特に、説明する時にある種の緊張感を持ち込むだけで、自然にしかも何度でも説明できるのである。これは盲点だった。
しかし冒頭が「2001年宇宙の旅」なのには笑ってしまった。ワインのシーンが、あの影のない白い部屋でのポーズそのままなのである。思わずワイングラスを落とすのではないかと思ったくらいだ。 また途中のアクション・シーンは明らかに「女王陛下の007」で、そう考えると色々な映画のワン・シーンを臆面もなく利用しているのだろう。こういう部分もそうだし、テーマも押井監督の好んで使う世界観だ。ただしクリストファー・ノーラン監督は観客を置き去りにせず、実に巧みに説明しているあたり、やはり彼の才能は本物だと感じる。 まあ押井監督の似た作品を挙げるとすれば「うる星やつら2・ビューティフル・ドリーマー」だろうか。監督の表現したいテーマとエンターテナーのバランスが良いと言うところが似ているのだ。
ちなみにノーラン監督は相変わらずメカ描写に難があり、今回はガン・アクションで少々無理があると思う。まあ観ている人はそんな突っ込みをしなくても良いようなシーンだから、別に構わないのか。
とにかく、普通なら難解になるはずのテーマを実に上手く処理してエンターテナーに徹しているので、少なくとも観て損はない。楽しめる事は間違いないのだ。信じられないが、本当にそうなのである。この辺が押井監督を遙かに凌駕している部分だろう。いずれこのままいけば、ノーラン監督はいずれスピルバーグを完璧に追い抜くだろう。実に楽しみである。
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